長野医院

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 千代田区タクシー事故を踏まえて
投稿:長野央希
9/11に千代田区でタクシーによる5人の死傷事故が起きました。
時々、タクシーの運転手が体調不良となり、事故が発生してしまうことがあり、ニュースでもインパクトを持って報道されます。
今回は、運転手の方が、くも膜下出血を起こした後に、大事故が発生してしまったという経緯のようです。
こうした事故が起きて、毎回思うのは、他人ごとではないということです。
私自身が事故の犠牲者になるかもしれないと同時に、自分が運転中にクモ膜下出血や大きな脳梗塞、出血を起こした場合に、同じような大事故を発生させてしまいかねないという意味でも、全く他人ごとではありません。
くも膜下出血も原因は様々ですが、基礎にモヤモヤ病や、未破裂の動脈瘤があるかもしれません。普段、あまり症状がないと、検査もしておらず、本人もそういった基礎疾患に気づいていない場合もあります。
また、放置している、もしくはコントロール不良の高血圧や糖尿病、脂質異常症や高尿酸血症などがあれば、動脈硬化が進行し、結果的に出血性脳梗塞のような病態を引き起こす場合もあります。
あるいは、本人も記憶にないような頭部打撲から、慢性硬膜下血腫を起こしていたりすると、それが原因で意識がもうろうとしたり、反応が鈍くなったりということもあります。
脳の病気に限らず、心筋梗塞や大動脈解離などの心疾患でも、急な体調不良から、自動車運転に支障をきたし、事故につながるということも十分にあり得ます。また、薬物の影響でも運転に支障をきたす可能性をはらんでいます。最近は、安易に抗不安薬や睡眠薬が処方されるケースも増え、そういった薬剤で、強い眠気から居眠り運転につながる可能性もあります。これは一部の風邪薬や鎮咳薬、抗アレルギー薬でも起きえることです。
自分が被害者にも加害者にもなりかねないということを、皆が理解する必要があります。
そして、今回の様にくも膜下出血や心筋梗塞という者は、ほとんど不可抗力のように突発的に起きてしまうことが多いです。このタクシーに乗車していたお客さんも、ドライバーの異変に気付かなかったという話ですから、少なくともお客さんが乗車した段階では、おかしな様子は見られなかったのでしょう。
私も、毎週、魚沼まで運転していっておりますので、長距離の運転中や、高速道路での運転中に有事があれば、とんでもない大事故に発展してしまうということを肝に銘じておく必要があると痛感しております。
そして、普段やれることと言えば、上記のような突発的な脳や心臓疾患を予防すべく、血圧や血糖、コレステロール、尿酸値などを良い状態に保ち、動脈硬化の進行を予防しつつ、定期的な健康診断で問題がないかを確認していくことくらいではありますが、こういったことに気を配ル他は無いと思います。
ついでに言えば、肥満₊糖尿病は新型コロナに感染した場合に、重症化するリスクが高いという事実を踏まえ、生活習慣を見直して、身を正していく必要があると思い、努力していく必要があると感じています。

2021年9月14日(火)

 コロナの話題
投稿:長野央希
依然として、新型コロナの話題が、報道の多くを占めている状況が続いております。新潟市も昨日43人の感染者が出たということで、飲食店の時短営業や、図書館などの公立の公共機関の営業停止が延長されるのか等の検討がされるのでしょう。
最近は新型コロナウイルスもη株やμ株などの変異が出たということで、マスコミも注意喚起を呼びかけております。
更に、WHOはそれまでワクチンの接種率が70%超えることで、感染を抑え込めるという考えでありましたが、Δ株の出現以降、その考えの軌道修正を行わざるを得ないという趣旨の発言をしております。
しかし、このようにワクチンでコロナを抑え込めるというのは、あまりに楽観的過ぎたとも言えます。
そもそも、インフルエンザウイルスは、毎年ワクチンを打たなければならないのは、ウイルスが変異を繰り返し続けるために、前年のワクチンは有効性が落ちてしまうからです。基本的に、多くのウイルスは生き残り戦略として、常に変異を繰り返しています。コロナウイルスも然りです。半年前のウイルスと、現在のウイルスが変異しているのは当然のことなのです。ですから、半年以上前に完成したワクチンが、現在のウイルスにとって有効性が落ちていても不思議ではないと言えます。ただ、現在出回っているワクチンもΔ株に対しても有効であるということは幸いなことと言えましょう。
しかし、ワクチンを過信してはならないのは、感染を完全に予防できるわけではないという事実があるからでもあります。ワクチンは仮に感染した場合にも重症化を抑制してくれるという程度の感覚でいる必要があると思います。それはインフルエンザワクチンにおいても同様であります。従って、ワクチンを打ったからと言って、公共の場ではマスク着用が必要ですし、手洗いを励行する必要があるのです。
そして、新型コロナの感染流行は、断続的ながら、しばらく続く可能性が高いであろうことを前提に、これからの生活や国家経営を考える必要があると思います。
20世紀初頭に起きたスペイン風邪のパンデミックは終息に二年かかりました。ですから、新型コロナも終息するのにも最低二年はかかるであろうと思われます。更に、現代はグローバリズムのために世界が狭くなった分、これまでの歴史上、最も世界中の往来が活発化していることから、ウイルスの変異なども起きやすくなっているのかもしれません。そのために、感染の終息には、二年を超えてしまう可能性もあり得ます。そう言う場合も想定していく必要があります。3年、4年と、今の様に飲食業界などに多大な犠牲を敷き続けることは現実的には不可能です。今の日本人が全員「欲しがりません。勝つまでは」の精神を実行できるのであれば別ですが。もはやwithコロナを前提にして、経済活動の再開の方策を練る必要があります。そのための医療資源の地域格差の是正、充実も図らねばならないでしょうし、場合によっては、カクテル抗体治療センターのような臨時の病院を設置することも考える必要がありましょう。
コロナありきで、政策・方針を決定していくことも覚悟する必要があるのではないかと考えます。

2021年9月11日(土)

 アフガニスタン
投稿:長野央希
米軍のアフガニスタン撤退に始まり、タリバンのアフガニスタン全土掌握で、にわかにアフガニスタン情勢が不穏なものとなっております。JAICAの職員の方も、死刑宣告のような脅迫文を受けて、大変身の危険を感じておられるような記事も見られました。
人道危機という意味でも、極めて憂慮すべき事態ではあると思います。
ただ、基本的にはイスラーム教徒の思想からすれば、イスラーム信者以外は、本来存在してはいけないので、非イスラーム教徒からの支援や指導というものは受け入れられないという発想になるのだと思います。

ムハンマドがイスラーム教の布教を始めて、およそ1400年経っていますが、当初は周囲の人たちをことごとくイスラームに改宗させつつ、その支配地域を拡大させていきましたが、徐々にユダヤ教やキリスト教信者を、いちいちイスラームに改宗させるような事業を行えば、尋常ではない労力と時間を費やされることを痛感させられていきます。元々、アラブ人は商業民ですから、そこは柔軟に対応し、人頭税を払いさえすれば、異教徒もその身の安全を保障するという政策をとるようになっていきました。この政策は、イスラームがキリスト教国やユダヤ教徒に対して優位な時代は、うまくいっていましたが、欧米諸国が産業革命を経て、帝国主義のもと、世界中で植民地活動を活発化させるに伴い、上記の構図は崩れていきました。白人諸国は、往々にして、自分たちの宗教観や価値観を、植民地や保護国に押し付けていきました。結果的にオスマントルコやイラン、サウジなどのイスラームの国々の人たちのプライドをずたずたにしていったのです。そういった歴史的な経緯からも、イスラーム教国の人々が、欧米諸国に対して、強い不信感を抱くのも無理からぬものではあるのです。
以上の様に、我々、非イスラームの先進諸国が欧米的な思想を押し付ければ押し付けるほど、タリバンは拒否的になる恐れがあります。
どうしたら、タリバンとうまく交渉し、いわゆる現代の一般的な価値観とイスラーム原理主義的な思想の歩み寄りを図るかを考える必要があると思います。その際に、参考にすべきなのは、ロシアや中国の対タリバン外交です。
中国では、新疆ウイグル自治区はイスラーム教徒が多く住む地域で、ここにタリバンなどのテロリストが介入してくれば、ウイグルの独立紛争に始まり、場合によっては、中国全土の暴動に発展しかねないというような危機感があると思われます。また、アフガニスタンは中国の一帯一路政策にとっては要衝の地であるため、いちはやくタリバンを認めることで、ウイグルの運動家の支援をしないような約束を取り付けていまず。ロシアでも、チェチェンの活動家の問題もあり、タリバンとの交渉を行っています。
こうしてみると、タリバン政権は、必ずしも宗教的な熱情のみで動かされるわけではないことに気付かされます。中国、ロシアの様に、タリバンにとって魅力的な条件を示すことで、交渉を行うことが出来ると言えます。従って、今、世界が心配しているようなタリバンによる非イスラームやイスラーム教徒でも女性や子供への人道危機を防ぐために、タリバン政権にとって、何か魅力的な条件を駆け引きの材料として、交渉を進めていく必要があるのだと思います。こちらの与える何らかの支援(多くは経済支援)の見返りに、人権侵害を行わないようにする等。
恐らく、従来の様に、欧米的な思想の押し付けでは、早晩、その交渉は破綻してしまうでしょう。

私は、昔からアフガニスタンやシリアで働いてみたいというのが夢でした。アフガニスタンで長く活動し、最期はテロの凶弾に倒れ、志半ばに亡くなられた中村先生の著書を読んだりして、その思いを強めたこともありました。実際のところ、今の私が、自分の責務や義務を放擲できるのであれば、アフガンに行きたいというのが正直な気持ちです。恐らくは生きては帰れないだろうと思われますが、アフガニスタンやシリアの様に混沌とした地域で、ある意味一からの国造りに参加できるかもしれないというのは、とても興味があります。明治維新に参加した日本人に通じるような部分があるように思えます。命を懸けるに値するような事業だと思えるのです。

2021年9月6日(月)

 コロナ禍
投稿:長野央希
依然として、新型コロナ感染が下火になってくる様子が見えない状況で、本日から16日まで新潟市内の飲食店が時短営業となります。
私が、よく利用している西総合スポーツセンターも本日より16日までは休館となってしまいます。
こうした措置の効果は二週間程度先になってようやく表れてくると言えます。
ただ、東京含めた首都圏は、度々緊急事態宣言を発令しているものの、感染を抑え込めていないという状況を鑑みると、蔓延防止策というもの自体は、あくまで人の動きを抑えて、人的交流を減らすことで、感染の接触を減らすという意味合いでしかないと言えます。結局は、時間稼ぎの政策と言えます。この時間稼ぎをしている間に、いかにワクチン接種率を増やすか、あるいは治療薬を開発できるかが勝負のカギと思われます。
治療薬としては、現段階で最も期待できるものが、カクテル抗体療法です。ただし、抗体療法というものは、高額であり、すべての感染者に対して行えるようなものではないと思われます。また、この治療は感染の初期の段階で行わないと、効果をなさないものです。ですので、いかに重症化しそうな人に、この治療を行えるかというのがポイントと言えます。
とは言え、この重症化しそうという予測が非常に難しいのが現実です。

実際に、コロナ診療にあたってきた経験からすると、60代で糖尿病があるという重症化リスクを有する人も、感染しても結果的には、ほとんど無症状であったりということもありました。一方で30代で基礎疾患がない方でも中等症以上の肺炎を起こしていることもあり、重症化の予測においては、従来言われている重症化リスク因子のみでは推し量れない可能性があるように思えます。
ただ、これまでは、新型コロナウイルスに対する純粋な抗ウイルス治療がなかった分(レムデシビルは、本来エボラウイルスへの抗ウイルス治療)、治療のツールが増えていくことは歓迎すべきことと言えます。
そして、抗体療法に比べれば安価で、多くの人が恩恵を被れるものが、ワクチンになります。9/1になり、新潟市でもようやく12歳以上の全年齢層のワクチン予約を受け付けられるようになりました。
しかし、ワクチンの供給量不足によって、当面はクリニックレベルでは週に48人まで(二回目を含めて)という縛りがあります。そのため、多くの御電話での御相談がありますが、思うように迅速に予約を受けられないことに、非常な歯がゆさを感じずにはいられない状況なのです。
前述のとおり、緊急事態宣言にしろ、蔓延防止策にしろ人の流れを止めるという時間稼ぎでしかなく、その間にいかにワクチン接種者を増やせるかが重要なのですが、思うようにはワクチンが進められないことに、無力感を覚えます。
更には、これから冬に向かいインフルエンザの季節になってくるため、本来であれば、インフルエンザワクチンの前にはコロナワクチンを済ましておきたかったところが、計画通りには進めないということになります。

勿論、ワクチンは絶対的なものではありません。ワクチン接種でも、感染するときはしますが、それでも感染率や重症化率は確実に低下させられると言えます。当院での発熱外来での陽性者を見ていると、現在は10〜50代が9割を占めています。やはり、ワクチンの効果を日々実感しています。
ただ、ワクチンを過信せず、手洗い・外出時のマスク着用などの日々の感染予防が極めて重要ですので、そういった積み重ねを大切にしていただきたいと思います。

2021年9月3日(金)

 業務連絡
投稿:長野央希
12歳以上のワクチン接種予約を行っておりますが、ワクチンの供給量が少ないのに対して、予約が殺到しており、9/2の時点でご予約いただいて、ワクチン接種時期が12月上旬となってしまいます。
その旨、御理解いただきますようお願い申し上げます。

今後、ワクチン供給量が増加してきた場合は、時期が早まる可能性はありますが、現段階では、供給量が増えてくるかは、不透明です。
集団接種などをご利用いただく方が速い可能性がありますので、そういったことも御検討いただければと存じます。

2021年9月2日(木)

 血液型と免疫学
投稿:長野央希
最近、『血液型と免疫学』(藤田絋一郎著 宝島新書刊)を読みました。
藤田先生と言えば、寄生虫学者・感染免疫学者として著名で、サナダムシを自分の腸内で飼育していることでも有名なユニークな学者でした。今年5月に御逝去されており、恐らく、亡くなる少し前に書き上げた著作と思われます。
新型コロナ感染が今尚、終息の見えない状況で、度々に血液型とコロナの感染のしやすさや重症化のしやすさの関連を論じた論文が出てくるようになっており、にわかに血液型と免疫との関係性に注目が集まるようになっているのを受けて著わされたものでしょう。
手放しで全面的に受け入れる内容ではない者の、とてもユニークな着眼点で、従来の思考に一石を投じているように思われます。
著作内でも言われておりましたが、血液型と性格などを関連付けること自体がエセ科学的であると言われてきました。
この本で言われていることとして@血液型によって、リンパ球の割合やNK細胞数に若干の差がある点で、生来の免疫力に差が出てくるであろうこと
A人間よりもはるか以前より存在するような細菌などの微生物や動植物にも人間の持つ血液型物質を有しており、血液型によって有する抗A抗体や抗B抗体が、微生物のもつ血液型物質に対して抗原抗体反応を示すことで、どの感染症に対して強い免疫力を示すかが異なってくる
B食物も血液型物質を有しており、血液型によっては体質的に合う合わないという可能性がありえること
C歴史的にO型は梅毒に対して強かった等の点で、人間関係にオープンで、おおらかな性格が作られたりと、免疫と感染との関係性から、血液型と性格形成に一定の関連があるのではないか
というようなことを述べておられます。
先程も申し上げた通り、全面的に受け入れてい良いものなのかという面もありますが、なるほどなと思わされる面も少なからずあります。
実際に、血液型と遺伝子や分子生物学的な解明というのは、実はまだまだ十分解明されていません。
そして、長きにわたり、血液型で免疫力に差が出たり、ましてや性格的な特徴が出るはずがないというのが、科学の主流としての考え方でしたから、こういった分野の研究がおろそかになっていた面はあるようです。
血液型によるストレス耐性の差から、癌になりやすい可能性なども論じることが出来るようになれば、少なくともストレスをためないような生き方をどうするかなど、お金をかけることなく、自分のライフスタイルに生かして、生活できるようになるかもしれません。
健康は必ずしも金で買う必要のあるものではなく、お手軽(金銭的に)に生活習慣を変えるだけで十分な場合が多いと思います。予防医学の多くは生活習慣の改善させることで効果が得られます。

血液型と言う単純なようで奥深い分野の研究がこれからますます進み、コロナに限らず、色々な感染症や疾患との関連が論じられるような時代が来るのかもしれません。

2021年8月30日(月)

 業務連絡
投稿:長野央希
ワクチン予約受付に関してですが、

12〜18歳を8/23から予約受付再開
19〜49歳を9/1から予約受付再開
致します。

依然として、ワクチン供給量の問題もあり、迅速な予約受付が出来ない場合もありますので、御了承ください。

2021年8月23日(月)

 インパール作戦
投稿:長野央希
今年も8/15の終戦記念日を迎えました。年々、戦前や戦中を知る生き証人の方々が減りつつある状況ではありますが、我々は、あの悲惨な戦争の記憶を留め、それを教訓として生きていく必要があると思います。
戦後は、戦争や軍隊に関して考えたり、語ったりすること自体が、タブー視されている時期が長く続いていたように思われますが、戦争を起こさないようにするためには、軍や戦争の実態を把握したうえで、戦争を起こさないようにするにはどうするかを考えねばならないのだと思います。いやなことにはふたをするのでは、結局、本当の反省にはつながらず、重要な教訓は得られないのではないでしょうか。
最近、笠井亮平著『インパールの戦い』(文春新書)を読みました。
インパール作戦と言えば、太平洋戦争の中でも、最も悲惨な戦いの一つとして認識してはいましたが、実は詳しいことはあまり知らないというのが現実でした。無能な司令官や参謀によって、無茶苦茶な作戦が展開され、結果的に筆舌に尽くしがたいような行軍、撤兵により、多くの死傷者が出たという程度の理解でしかありませんでした。
この本を読んで、インパール作戦そのものは、無能な軍部によって自滅した戦いというような認識でしかなく、あまり交戦国や現地住民のことには思い至っていなかったという事実にも気付かされました。戦争ですので、当然相手国があり、戦場の周囲で生活する人たちがいるのにもかかわらず、何故か日本の帝国陸軍のみにしか意識が向いていなかったこと自体が、日本人がかの大戦において、十分な考察もせず、当然総決算を行えていないということを如実に物語っているような気がしました。
インパールの戦いでは、従来のように、司令官以下の無謀な作戦計画によって、多くの命が犠牲になったという事実は間違いないと思います。一方で、相手国である英国、英インド軍がいかに、この戦争に向けて、並々ならぬ決意と周到な作戦計画を実行したかを知る必要があります。
インパール作戦の前までは、日本軍は英国に対して、ほぼ連戦連勝で、ミャンマーやシンガポールを陥落させ、インドをうかがうような形成でした。もし、インパールが陥落するようなことになれば、日本軍がインドに入り、結果的にインドの独立紛争が激化して、英国はもはや太平洋戦争の継続自体に支障をきたしかねないという状況でした。
歴史にもしはないと言いますが、インパール作戦よりも前の1942年にインドに侵入していた場合、インドは動乱をきたしていた可能性がありました。勿論、日本が英国領インドに侵入しても、統治を継続することはとてもできなかったでしょうが。その時機を逸したことで、陸軍は戦争の主導権を連合国に渡してしまったのかもしれません。インパール作戦の時期は、既に、日本軍は陸海軍とも連合国に圧倒されつつある時期になっていました。
いずれにしろ、英国としては、戦争継続自体に支障をきたしかねないという危機感の中で、インパールの戦いに勝ちました。彼らは、戦争初期の連戦連敗を糧にして、道路や空港整備を行ったり、日本人捕虜を懐柔して、日本軍の情報をつかんだり、諜報活動を活発化させたりという多くの布石を打ちました。
日本としても、インドの独立運動と連携をしたりと、多くの努力を行いましたが、その努力という意味で英国側に分があったと言えましょう。

太平洋戦争全般に言えることではありますが、緒戦は日本軍は連合国軍を圧倒しました。しかし、連合国側は、敗戦から多くの教訓と、日本の弱点などを研究し、戦争後半は日本を圧倒しました。物資や経済力の差もさることながら、苦い敗戦から目を背けない姿勢にこそ、両者の差が生まれていたような気がしてなりません。
インパールも、目をそむけたくなるようないたましい敗戦ですが、その敗戦からこそ、学ぶべきものが多く、そういった教訓は今の時代でも生かせると思います。日本人は失敗しても、それには目をつむるような傾向があります。失敗からこそ学ぶべきものが多いのであり、それは戦争に限りません。
今は、コロナとの戦闘状態にあると言えます。ウイルス感染の終息こそが、戦闘の勝利となります。最終的な勝利のためには、これまでに蓄積した失敗体験からこそ、大きな教訓を引き出していく必要があると思います。

2021年8月18日(水)

 業務連絡
投稿:長野央希
8/16〜 50歳以上の方のワクチン接種予約を再開いたします。
接種可能な時期は8/23以降との通達ですので、それに準じて、予約を受け付けていきます。予約御希望の方は、御電話にて御相談ください。
なお、依然としてワクチン供給が不安定につき、新規の予約は週に36人までとなりますので、御了承ください。

2021年8月15日(日)

 業務連絡
投稿:長野央希
お盆中の診療体制は以下の通りです。

8/9  9:00〜12:30、,15:00〜18:00
8/10 9:00〜12:30、,15:00〜18:00
8/11 発熱外来のみ (9:00〜12:30、,15:00〜18:00)
8/12 休診
8/13 9:00〜12:00
8/14 発熱外来のみ(9:00〜12:00)
8/15 休診
8/16以降は通常通り

となります。宜しくお願い致します。

また、コロナワクチンに関して、64歳以下の方の予約受付を8/16〜再開いたします。
あわせて、よろしくお願いいたします。

2021年8月9日(月)

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