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 猛暑
投稿:長野央希
連日、厳しい暑さが続いております。寺泊で38.8℃と全国第一位の暑さを記録し、新潟市内も37℃台まで気温が上昇しております。私も、毎日、屋外で発熱外来を行っておりますが、長袖の感染防御のガウンを着て、サージカルマスクにN95マスクをつけ、フェイスマスクやゴーグル、ゴム手袋を着用しておりますと、信じられないような汗をかきます。一人の診療が終わるころには、手袋の指先は汗だまりと化し、ぐじゅぐじゅ音がしますし、指が汗でふやけてしまうというような状態です。もはや、体中の水分を搾り取っているように感じます。
一時、発熱外来希望者数が下火になっておりましたが、ここ3週間で再び増加に転じ、時には午前中の1時間半、午後の2時間などの様に、ぶっ続けで屋外労働をしておりますと、かなり疲弊します。患者さんが立て込めば、当然水分補給している時間がなく、自分自身で、熱中症の前駆症状であろうと思うような自覚症状を認識することも少なくありません。
まずは、字を書いていると、手が震えるようになります。そして、握力が落ちるのか、やたらと物を落とすようになり、患者さんの問診中に、ふわふわするような浮遊性のめまいが生じてくると、流石にまずいのではないかと思うようになります。また、それをこらえていると、徐々に過換気の様になってくる場合があります。ただ、この過換気に関しては、マスクの通気性の問題もあるかもしれません。発熱外来を継続するようになって気付いたのですが、サージカルマスクは雨や汗で濡れると、著しく通気性が悪くなるのです。汗でマスクがぐしょぬれになることで、通気も悪くなり、加えてN95マスクも装着しているために、呼吸困難感が増強し、結果的に過換気のようになることも予想されますし、熱中症の症状として過換気になっている可能性もあるかもしれません。恐らく、この段階を経て、尚、水分補給をしなかったりすれば、熱中症としての発熱、頭痛などをきたしてくるのではないかと思われます。いずれにしろ、屋外で長時間にわたり重装備の発熱外来を行うことは、自分にとって、ほとんど修行の様に感じられますが、この修行を耐えると、何かしら成長できるのではないかと思いつつ、日々過ごしております。

そんな猛暑の中、また福岡の保育園での送迎バスに置き去りにされた5歳のお子さんが熱中症で亡くなるという痛ましい事件がありました。御両親や兄弟、親類の方々の悲しみや怒りは、想像を絶するものがあります。9時間以上バスの中に閉じ込めらることの恐怖、暑さと脱水による信じがたい苦しみ、一人で過ごす孤独感、寂しさ、そんなことを考えると、可哀そうで、涙が出てきます。
発熱外来で使用している、物置の中は、扉を開放して、扇風機をかけていてすら、日中は40℃を超えます。それが密閉されていたら、60℃にはなるのではないかと思われます。ましてや、鍵をかけたバスの内部など換気もされないわけで、恐らく50℃や60℃になっていたのではないかと想像します。
そんな状況で、短い人生を終えなければならなかった子供を考えると、この園の園長の責任は極めて大きいと言わざるを得ません。
それでも、この園の園長や保育士には、それぞれの人生や生活や家族があります。亡くなった子供の遺族が、園長らに対して、強い恨みや怒りを感じるのは当然ではありますが、我々部外者が、園長以下の人たちを興味本位で罵倒したりすることは厳に慎む必要があると思います。我々はこの加害者となる人たちの人間性や事件の経緯を何も知らないと言ってもいいわけで、それなのに、正義感を振りかざして、私生活を暴いたり、糾弾するのは、何か違和感を感じてしまいます。毎年毎年、繰り返される子供の車中置き去りによる死亡事故を見るにつけ、どうして、こういった類の事故が無くならないのかと不思議に思いつつも、言い換えれば、自分も同じような過ちを犯す可能性もあるような、他人ごとではないという認識を持つ必要があるのだと思います。

2021年8月3日(火)

 熱中症に御注意を
投稿:長野央希
五輪開始後、一都三県の首都圏で新型コロナ感染者数が増加の一途をたどっております。それに呼応するように、新潟県内の感染者数も増加してきております。一時、当院でのPCR検査希望者数も減少しておりましたが、ここ数週間で再度、検査件数も増加傾向にあり、それに伴って、陽性者数も微増しております。都内の増加があれば、当然、地方でも増加してくるのは自明ではあります。
一方で、最近の発熱外来受診者の診察にあたっておりますと、やはり、現在の気温を反映して、熱中症やそれに準ずるような病態の方が多くなっております。特に若くて体力のあるような方が、仕事で高温の環境下で労働していたり、あるいは換気の不十分な屋内で仕事をしていたりして、帰宅後に熱が出るというようなパターンが散見されます。
受診時に、水分の摂取状況を確認すると、たいていの方は「水分は取るようにしていた」とおっしゃいますが、現実のところ十分な量の水分摂取がされていないことがしばしばです。
人間は、生きている限り、水分が喪失しております。不感蒸泄というのは、発汗以外での皮膚や呼気からの水分喪失のことを言いますが、これが健常成人でおよそ900ml/日(皮膚で600ml,呼気で300ml)程度と言われております。気温などの条件で、不感蒸泄量は大分変動しますので、現在のような高温多湿では、更に量が増加します。要は夏場は1Lもの水分が、知らぬ間に失われているということです。加えて、発汗と、大小便からの水分喪失も加味されて、結果的には1日に2〜3L近くが水分の排出につながっていると計算できます。従って、それを上回るような水分を摂取しなければ、充分な水分摂取とは言えないということになります。殊に、不感蒸泄は発熱や熱傷、過換気状態で、更に増加しますから、熱中症のような発熱、過換気を生じやすい状況では、更に水分の喪失につながるのです。
それを考慮して、どういうような職場環境、あるいは生活環境なのかを考えつつ水分摂取量を変える必要があります。(腎不全や心不全がある方は、やみくもに水分摂取をすればよいというわけではありませんので、御注意が必要です)
特に、体力に自信がある方は、自分を過信して、水分摂取量が少なくなっているような傾向も伺われます。
新型コロナ感染も一部の人にとっては重症化したり致死的になるという危険がありますが、熱中症は、それ以上に命にかかわりかねません。まだ、これから一か月半程度は猛暑が続く恐れがありますので、皆さんご自愛ください。


2021年7月30日(金)

 過去の過ち
投稿:長野央希
東京五輪が開幕しましたが、開幕直前に大会関係者の人選でごたごたが起きていました。
五輪の音楽制作にあたっていた小山田圭吾氏が過去の障害者へのいじめを問題視され、辞任しましたし、五輪開会式ディレクターであった小林賢太郎氏が以前行ったユダヤ人のホロコーストを揶揄するようなネタを問題視され、解任されました。
正直なところ、高校の頃から渋谷系というジャンルの音楽が好きではなかったので、小山田という人を知りませんでした。ですから、かつてのいじめが記載されている雑誌の内容も、それほど把握しているわけではありません。あまり無責任なことも言えるものではありませんが、不快になるようないじめの内容であり、少なくともパラリンピックをも併せた大会における重要な役職を受け持つには不適なようには思えましたし、小林氏に関しても、世界各国が参加する平和の祭典におけるディレクターというポジションは望ましくないと判断されても致し方のないことではあったと思われます。

しかし、我々はこういった大きな大会での重要ポストを担う人たちの詳しい人間性など大して知らない中で、彼らの過去の軽率な行動や発言をもとに、現在の彼らの人間性までをも否定したりするのはどうなのかとも思えてしまいます。
いじめや差別は許されないことではあります。ただ、そういった過去の過ちは、どうやったら、あるいはどのくらい時間がたてば、許されるものでしょう?過去を悔い改めていたとしても、その人は人生の最期まで、重要な仕事は任せてはならないものでしょうか?
そもそも、人間で、過ちを犯さない者はおりません。その過ちを反省して、次のステップに進むからこそ、成長していくのだと思います。我々は、マスコミなどの矢面に立たされないために、過去の過ちを穿り出されることもなく生活できますが、有名になれば、必ず、その人のあらを探すような人たちが現れます。そういった人達の中では、悪意を持って、人を貶めようという者もおります。その人たちの言い分だけを聞いていれば、どういうことになるでしょうか?当然公平な判断などは出来なくなります。
脛に傷持つような人は沢山おります。特に政治家諸氏などは、若いころから品行方正な人など、どれほどいるものでしょうか?もし、過去の過ちを問題視するのであれば、現職の政治家の方々は、大概が辞職しなくてはならなくなるような気がします。しかし、そうはなりません。
今回の辞任した人たちを弁護する気も毛頭ありませんが、色々と矛盾を感じるのも事実です。

今は、SNSなどで有名人の過ちを裁く人たちが沢山おります。裁かれる側にも言い分があるでしょうが、それはあまり聞く耳を持たれないことがしばしばです。逆に、裁く側が、裁かれる側に回ったとして、彼らは、その境遇に耐えうるのでしょうか?
もう少し、節度を持って、冷静にふるまうことが肝要な時代であると思うのです。

2021年7月25日(日)

 業務連絡F₊今思うこと
投稿:長野央希
今週はオリンピック関連の休日もあり、変則的な業務時間となります。
7/19、,20、,21は通常通りで9:00〜12:30、,15:00〜18:00
7/22休診
7/23、,24は9:00〜12:30の午前中のみとなります。
宜しくお願い致します。

さて、今回中越高校でクラスターが出たということを受けて、同校は夏の高校野球出場辞退となってしまいました。
同じようなことが全国でも起きております。米子松蔭高校も出場辞退となったことが話題となり、橋下徹氏などの人が政府や高野連を厳しく非難しておりました。私は、これまで必ずしも橋本氏の意見に全面的に賛同してきた者ではありませんが、今回に関しては同意見であります。
そもそも、先日まで行われていたサッカーの欧州選手権や南米選手権では、その国のメンバーで陽性者が出たからと言って、出場を取りやめてはおりませんでした。しかも、日本国内で、五輪の代表選手やスタッフが陽性であったからと言って、その国が出場を辞退しているわけでもありません。
結局、コロナ感染者が出たことと、どうなったらチームとして参加を控えるべきであるかというような取り決めやコンセンサスが全くないために、混乱している状態と言わざるを得ません。
大体において、この新型コロナ感染者は、多くで無症状であり、検査自体を行われていないような無症候性キャリアが多数存在しているはずであり、もし、万が一にも高校球児全員をPCR検査しようものなら、大変な騒ぎになりかねないでしょう。
また、部内にコロナ陽性者がいるというだけで、いちいち大会参加を自粛するのであれば、根本的に、そんな大会自体取りやめてしまえばいいのではないかと思えてしまいます。
都内は連日1000人を超える陽性者が出続けている現状でも、オリンピックは強行する方針には変わりはないようですが、それに対して、高校野球は自粛の判断が厳しすぎるような気がしてなりません。
殊に、男子高校生というのは同世代の女子に比べると、精神的に成熟していない面が強く、その分、現実を把握するよりは、夢を大切にする傾向が強いように思えます。そんな、甲子園という夢を追い続けてきた球児たちの希望を簡単に踏みにじってしまうのは、どうなのでしょうか?
確かに「野球は人生のすべてではない」とは言えますが、それでも、高校球児は青春の多くの部分を野球に費やしてきました。甲子園出場という壮大な夢のために。その夢を果たせるものはごく一握りではありますが、その狭き関門を突破するための努力をぶつける場も与えられないというのは、彼らの今後の人生に大きな影を投げかけないか心配になってしまいます。
大人の勝手な都合で、夢を追うことすら許されないことへの理不尽な怒りやエネルギーを自分の成長できることにぶつけていってほしいと強く願います。自分が中学の時に、同級生が尾崎豊の『卒業』の歌詞を書いてくれたことがありましたが、その一つ一つのフレーズが思い出されます。信じられぬ大人との争いのなかで、皆大人になっていくのでしょうが、どうかまっすぐ育っていってほしいと切に思います。

2021年7月19日(月)

 業務連絡E
投稿:長野央希
改めて、新潟市にも確認したところ、しばらくはワクチンの供給量が非常に厳しい状態が続くとのことで、64歳以下の方のワクチン予約をストップするようにとのことでした。情報が錯綜しており、誠に申し訳ありませんが、当面は全面的に64歳以下の方のワクチン予約を行えませんので、何卒ご了承ください。尚、これまでワクチン予約をされている方は、予定通り接種をさせていただきます。
また、64歳以下のワクチン再開の許可が出次第、ホームページにてお知らせいたしますので、宜しくお願い致します。

2021年7月17日(土)

 民主主義の限界
投稿:長野央希
戦後に生まれ、育った人たちからすれば、国家の政体が民主政治であることは自明であります。民主主義の利点と言えば、当然のことながら、民意が反映されやすいであろうということになるかと思います。確かに、王政や貴族政、寡頭政などに比べれば、はるかに多くの国民の意見は取り上げられることは間違いないでしょう。ただ、ここで注意すべきことは、民主主義は、数の論理であるということです。すなわち、多数派の意見が採用されるということで、少数派の意見は残念ながら無視されたり、取り上げられない可能性が高いということになります。そして、多数派の論理が必ずしも、正しいとは限らないことにも注意を向ける必要があります。民主政治がしっかり機能する大前提として、国民の多くが勤勉で、誠実で実直であることが挙げられると思います。この根底が崩れれば、民主主義の多数派が自己の利益のみを追求するような拝金主義や衆愚政治に陥ってしまいます。国民が勤勉でなくなり、その場しのぎの快楽ばかりを追求するようになれば、確実に民主主義は衆愚政治へと転落していきます。今の日本はどうなのでしょうか?よく考える必要のある時であると思います。
国が富み栄え、国民の多くが飢餓や戦争の恐怖から解放されると、国民は極力、自分の手を汚したがらなくなります。結果的に、国民から勤勉さが欠如していくようになり、怠惰になっていきがちです。古代ローマ帝国も、従来のローマ人が堕落していき、最終的に奴隷であったようなゲルマン人にとって代わられていくような憂き目にあっています。
また、国民のレベルが低下すれば、その国民が選ぶ政治家のレベルも低下していくのは必然です。昨今、政治家のレベルが落ちたと言われますが、それは国民のレベルを反映している結果であると言えましょう。政治家は当選するためには国民に迎合する必要が出てきます。その国民が快楽主義であれば、政治家は、国民に甘い汁を提供しようとします。かつて行えていたような、国家百年の計のような長期的展望に立った様な政策は立案、実行は甚だ難しくなっていると言えるかもしれません。我々国民が、平時において、戦時を思うような、日々修練を続けない限り、政治のレベル低下には歯止めがきかなくなってしまうでしょう。
加えて、民主主義の問題点は、迅速さに欠けるきらいがあるということです。民主政治の根本は議論です。議論を尽くして、よりよい政策を立てていく事こそが、民主政治の利点ではあるのですが、議論には時間がかかります。戦時や天災や現在のようなコロナ禍においては、何よりも時間が肝要であるのですが、その点では迅速さに欠けてしまいます。このような非常時には、かつてのヴェネチアの様に、政治家の中でさらに選抜された少数の者が政策を立案、実行出来るような迅速さが必要な気もします。

いずれにしろ、現代の日本において、民主主義は正常に発展しているのか問い直すべき時期であると思います。民主制はその理念は最も優れているとは思いますが、人間の人間性というものを考えた時に、民主制がその崇高な理念を維持し続けられないかもしれないという疑問にぶつかります。本当に民主制が最も優れた政体なのかも、同時に考えてもいいのかもしれません。

2021年7月16日(金)

 業務連絡D₊α
投稿:長野央希
本日、新潟市から正式に通達があり、7〜9月にかけてワクチンの供給量が減少することが確実となり、当面は64歳以下の方のワクチン予約を見合わせるようにとのことです。既に、ご予約いただいております方の接種は予定通り行いますが、これから予約を取ろうという方は、現時点で予約を取ることが出来ません。大変申し訳ありませんが、市から改めてワクチン受付可能の通達が来次第、予約再開といたしますので、何卒宜しくお願い致します。

都内では、4回目の緊急事態が発令されました。8/22までは宣言下に置かれるとのことです。更にはワクチンの供給不足の問題も生じてきました。政府としてのワクチン事業への本気度がいかほどであったのか問題視されるような失態であろうと言わざるを得ません。そもそも、新型コロナの収拾を図ろうとしているにしては、政策がことごとく後手に回り、不十分な対応に終始しているようにしか見えません。
新型コロナを単なる風邪ととらえるか、健康への多大な脅威ととらえるかで、対応策も大きく変わってくるであろうと言えます。オリンピックもついには一都三県は無観客にするという決定がなされましたが、そもそも、五輪開催する都市で、緊急事態宣言が再発令されるということを世界はどう見るのでしょうか?経済活動、とりわけ飲食業界に多大な犠牲を強いてまでして、感染拡大を抑えようとしている一方で、同時にオリンピックを開催しようとすることが、感染拡大につながりかねず、やっていることが支離滅裂にすら思われてしまいます。オリンピックはどうしても決行したいという思惑があるのでしょうが、であれば、政府としても「日本の経済や国益のために、コロナの犠牲者はある程度やむを得ない」と公言してしまった方が、ずっと潔いと感じます。現政権は、内閣総辞職をしてでも五輪を行うという覚悟があるのでしょうか?
そもそも、緊急事態宣言発令が4度目という時点で、都民も「またか」としか感じなくなっている可能性もあります。もはやオオカミ少年状態と言えるかもしれません。三回目の緊急事態宣言で、感染が抑え込めなかったからこそ、一か月程度で再発令しなければならない事態に陥っているわけで、緊急事態宣言の効力そのものに疑問を呈する必要があります。緊急事態宣言はあくまで時間稼ぎです。その間に国民のワクチン接種を速やかに進めている必要がありましたが、宋はなりませんでした。以前にも申し上げましたが、中途半端な対策を小出しにしていくことは、ほとんど無駄でしょう。やるのであれば、短期集中で、完全に人の往来などを止めてしまうくらいの徹底した方策を取らねばならないのだと思います。もしくは、ブラジルの様に新型コロナよりも経済活動などを優先するような政策にかじを切るかです。
専門家会議にしろ、メンバーが自分の責任を問われたくないという気持ちもあり、抜本的で斬新な案は出てくるはずがなく、結果的に無難であまり有効でないような政策が繰り返される結果になってしまっています。
緊急事態宣言を繰り返し、ワクチン事業も頓挫している現状で、五輪を楽しむ余裕が出てくるのでしょうか???

2021年7月9日(金)

 業務連絡C
投稿:長野央希
ワクチン接種に関してですが、規則として前の週の火曜の午前中までにはワクチン発注をかける必要があります。従って、ワクチン接種日の直前のキャンセルによって、発注したワクチンが無駄になる恐れがありますので、ワクチン接種日の2週間以内でのキャンセルは御容赦願います。
勿論、体調不良などの理由であれば、延期やキャンセルは仕方がないことではありますので、御相談ください。

また、8月いっぱいまで国からのワクチン供給量が減る見通しとなっておりますので、動向を注視する必要がありますが、64歳以下の方のワクチンは9月以降にずれ込む可能性があります。ワクチンの供給の状況を見つつ、御連絡してまいりますので、宜しくお願い致します。

2021年7月6日(火)

 欧州選手権
投稿:長野 央希
現在、サッカーの欧州選手権(EURO2020)が盛況です。
今回の大会で、選手たちの奮闘もさることながら、話題になっているのが、スタジアムに来た観客の間で新型コロナ感染が拡大したということやスーパースプレッダーの件です。多数の観客が集まるということは、当然大勢の人間の移動を伴うということで、感染が拡大することは予想されていた事態であろうと思います。このEURO2020の状態を検証し、問題点への対策を練ることこそが、東京五輪における感染拡大予防につながると考えられますので、早急にEURO2020での人々の流れや、感染拡大の経緯などを分析する必要があるでしょう。
一方で、競技そのものとしては、4強としてスペイン、イタリア、イングランド、デンマークというある程度順当な国々が勝ち上がった感はあります。(フランスが早々に敗退したのが予想外ではありましたが)イングランドは従来だと、大一番で勝つと、安心してなのか、次の試合を取りこぼすようなことがくりかえされてきましたが、今朝のウクライナ戦では堂々たる勝ち方をしておりました。欧州選手権はW杯とは違う面白さがあります。欧州自体は狭い土地に多くの国がひしめき合い、隣国同氏が、仲良くなったり、戦ったりという歴史を経てきました。そんなわけで、それぞれの国が国家の威信をかけて戦う様はさながら平和的な代理戦争の様相を呈する場合が有り、歴史や地理を知っていると、より一層試合における意地のぶつかり合いなどが感動を呼ぶ気がします。イングランド対スコットランドやイングランド対フランス、フランス対ドイツなど、単なるスポーツではすまないドラマがあります。
イングランドとフランスなどは、歴史的にも長く戦い続けてきた経緯もあり、日本に置き換えると、日韓戦にも通じる面があろうかと思われます。
スポーツで熱戦を繰り返すことは結構なコトですが、外交的なことや、民衆レベルでのいがみ合いは、はっきり言えば、労力の無駄です。先の大戦も有り、隣国はしばしば我が国に敵意をむき出しにすることがありますが、それにいちいち応対しているのは時間と労力の無駄です。そもそも、古代の日本と朝鮮半島の情勢を考えると、朝鮮南部と日本は同じ文化圏ともイエル関係で、多くの渡来人が現在の日本人の先祖となっております。任那という国も、日本の支配地域というよりは日本の王族と縁戚関係にあるような対等な同盟関係にあったのではと個人的には考えています。そういった歴史的背景から、もっと相互理解を深める必要があろうと思います。また、日本が日本としての誇りを持っていれば、他国にいちゃもんをつけられても意に介す必要はないと思います。
むしろ、バブル崩壊以降の不況で、日本の多くの企業が外資系の傘下となり、過疎化しているような地域の里山などの土地が外国企業に買いたたかれている現状で、これは平和的に日本が侵略されている状況につながるのではないかと危惧しています。こういったことへの対応に労力を割く方が、ずっと建設的で国益につながると考えます。

2021年7月4日(日)

 毒ヘビ
投稿:長野央希
山歩きが好きで、魚沼にいる頃は八海山や守門岳、権現堂山にはよく登っていました。山登りをしていると、水辺のような場所にヤマカガシがいたりしました。岩場で手をかけると、そのあたりにヤマカガシがいたこともありましたが、彼らは案外臆病なようで、人の存在を確認すると、逃げて行ってくれました。一方で、奈良の葛城山のあたりを散歩していると、マムシが頭をもたげて、こちらを見ていることがありました。その時には、全く逃げるそぶりを見せないため、こちらがその場を去りました。そんなわけで、山歩きをしていると、色々なヘビに遭遇します。有毒なものも、無毒なものもおりますが、こちらが危害を加えなければ、多くの場合は大事にはならないような気がします。そんなこともあり、私は毒ヘビに関して興味を抱くようになり、グラフィック社の『毒ヘビ全書』という本を読みました。世界中の多種多様な毒ヘビの中には、とても色美しいものもあり、性格も大人しいものから、攻撃的な物まであり、実に興味深く感じます。また、長い年月かかってヘビに備わった毒に関しても、驚嘆すべきものがあります。大変勉強になりましたので、その一部を書きます。
毒の作用には
(1)出血毒:蛇にかまれることで、血管や細胞の破壊によって出血が生じ、また毒の成分には溶血や赤血球凝集作用を有する場合もある。ヘビ毒金属プロテアーゼは特に破壊的と言われている。
(2)神経毒:神経筋接合部に作用し、神経から菌へ送られる電気刺激の働きを狂わせる。デンドロトキシンはアセチルコリンの放出を持続させることで、筋の収縮が継続し、痙攣などを誘発する。その後アセチルコリンが枯渇すると、筋の麻痺が進行していく。β-ブンガロトキシンは逆にアセチルコリンの放出を阻害し、筋の収縮を抑制してしまう。
随意筋である骨格筋のみならず、不随意筋である心筋や平滑筋も麻痺させることで、自発呼吸が困難になったり、嚥下障害が惹起される。
(3)血液凝固障害を引き起こす毒(Hematotoxins)
血液凝固促進作用のある毒の場合、プロトロンビン活性化酵素やトロンビン様酵素が作用することで、多量の血栓(異常な)が生じ、結果的にまともに作用する血栓を作るためのフィブリノーゲンが大量に消費されてしまうことで、自らまともな血栓が作れなくなり、出血が助長されてしまう。また、大量の血栓が毛細血管を閉塞させることで、多臓器不全(MOF)や腎不全を引き起こす。
血液凝固阻害作用のある毒の場合、フィブリノーゲンやフィブリンを分解し、血中で血栓を作ることが妨げられる。また、ディスティングリンは血小板凝集を妨げることで、止血が出来なくなってします。
この系統の毒は、いわゆるDICを惹起していると言え、現在新型コロナによる凝固機能異常にもつながる話題と言えましょう。
(4)その他
細胞膜を構成するリン脂質と結合し、細胞死を誘発する細胞毒。
心筋に特異的に作用し、その動きを停止させる心臓毒(コブラ亜科が代表)
冠動脈を収縮させることで、心筋梗塞のような症状を惹起するサラフォトキン
                      等々
毒そのものに関しては、ヘビの種類や固体の大きさによって、致死性にも差があるとはいえ、非常に恐ろしいものであると同時に、自然界の深遠さにある意味感動すらしてしまいます。(ただ、私個人としては毒ヘビを飼育したいとは思えませんが・・・)
毒ヘビによる被害としては、年間で12万人が命を落とし、40万人が重篤な後遺症を残しています。恐らく、インドやアフリカなどのあまり医療機関が近くにないような地域では、ヘビ咬症の報告すら行われていない可能性があり、上記の数字自体は氷山の一角で、もっと膨大なものとなるものと思われます。
毒ヘビにかまれた場合には、最も有効な治療としては血清療法があげられます。勿論、かまれた部位などの切断もある程度は有効ですが。
そんな血清治療に関して、2015年にアフリカの毒ヘビに対する抗毒血清を生産している会社が、収益を見込めないという理由で、血清の生産を中止してしまっており、血清が枯渇すれば、死者はさらに増えていく恐れが強いと言わねばなりません。WHOはヘビ咬症を「顧みられない健康危機」として危機感を鮮明にしております。そもそも、毒ヘビ被害は金のあるような欧米の都市部ではそれほど深刻には受け取られないものと思われます。やはり、発展途上国の農村部や、都市から離れたところで、その被害が増大しているものと考えられます。ただでさえ、現代医療の恩恵をあまり受けることのできない人たちが、こういったヘビの問題でも見放されてしまうということについては、やはり現代社会のシステム自体を見直していかねばならないと思わせられます。



2021年6月25日(金)

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