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 業務連絡
投稿:長野 央希
若干ずつではありますが、ファイザー社製のワクチンが手に入るようになってきておりますので、モデルナ社、ファイザー社でもワクチン接種可能となっております。
よろしくお願いいたします。

2022年4月18日(月)

 戦争の本質
投稿:長野 央希
ロシア-ウクライナ戦争が続いております。一部報道では、キーウ(キエフ)攻略を諦め、ウクライナ東部と南部に戦力を集中することになるような話です。戦力、国力の差からすれば、ロシアは早急にキーウを占領し、ウクライナの政権を転覆させ、自分たちの傀儡政権を置く構えであったと思いますが、その目論見は達成できていないという状況です。
そもそも、戦争においては、重要局面に戦力を集中させるのが鉄則でありますが、今回のロシアはそうしていません。これは完全にウクライナをなめきっていたことの表れなのではないかと思えてしまいます。戦力を分散させたことで、補給もままならなくなり、戦闘が長期化していくという悪循環に陥っているように見えます。こういった過ちは、歴史上しばしば見られます。ナポレオンもそうして最終的に敗北しました。第二次大戦の日本、ドイツともそうでした。日本は、陸海軍とも満州、中国〜東南アジア、オセアニアとあまりにも戦力を分散させ、戦線を拡大させ、信じがたいような敗北を喫しました。日本の国力、兵力を考えれば、そんな広大な戦線を維持できないことは冷静に考えれば、自明であったはずなのに、ここにも驕りのような面があったのかもしれません。
これからロシアが兵力を東部、南部戦線に集中させることとなれば、同地域での戦闘はさらに悲惨さを増していくことが予想されます。
現在、ロシア軍によるウクライナの民間人の大量虐殺が世界的に連日のように報じられ、問題視されています。とんでもないことではありますが、恐らく、これが戦争の本質なのだと思います。
@志願兵の中には戦争行為や残虐行為を好む、あるいはそういったことを躊躇なく行えるようなタイプの人が少数であっても存在しているだろこと
Aロシア兵のなかで、自分が殺されるという恐怖の環境に置かれていることで、殺されるなら、殺してしまおうという自衛の気持ちになり、恐怖のあまり誰彼かまわず殺傷してしまう事態になりえる
Bロシア兵において、仲間が殺された場合、その戦友への復讐心から、ウクライナ兵であろうが、民兵であろうが、民間人であろうが、ウクライナ憎しの念で殺傷行為に及んでしまう場合もありえる
C同様にウクライナ側でもロシア憎しで、攻撃を仕掛け、お互いが恐怖と憎しみの連鎖で殺傷沙汰に歯止めがきかなくなってくる可能性
Dロシアの上級軍人がどういった戦争哲学を有しているのかという問題があり、彼らが戦時下での民間人を保護しようという意思がないのであれば、それはその部下達にも浸透していってしまう。
E逆に上級軍人は騎士道精神のような物を有していても、軍の統率がとれていなければ、部下達は思い思いの行動をとり、収集がつかなくなってしまう
F軍の士気がが低下すれば、脱走兵が増え、脱走兵は自分たちが生き抜くために夜盗の群れのように成り下がってしまう危険がある
G死地に置かれる兵士達は、明日をも知れぬ不安や、常に緊張を強いられる状況で、刹那的な快楽や悦楽を求めがちと也、暴行などの犯罪行為に手を染めてしまう
こういったことが積み重なれば、民間人には手を出さないという、モラルなど吹き飛んでしまうでしょう。結局、モラルを守ろうと思えば、戦争など出来ないはずなのです。戦争を始める側は、戦時下モラルなど守ろうと思えなくなる可能性が高く、これこそ戦争の本質なのではないかと思えてしまいます。だからこそ、戦争は行ってはいけない、憎むべき行為なのです。そして、どんなに大義名分が立派であったとしても、戦争は所詮殺し合いでしかないということです。
とにもかくにも、一刻も早く戦争が終結し、ウクライナの人々が心の底から笑い合えるようになってほしいと切に願います。

2022年4月8日(金)

 愛国心(3)
投稿:長野 央希
では、愛国心というものは何なのだろうと疑問がわいてきます。
あれこれ考えると、愛国心の最も原始的な意識は、犬猫などの縄張り意識なのではないかと思うのです。自分のテリトリーを侵害されたくないという思いとともに、自分のテリトリー内で自分の仲間や自分に従順な者たちを守りたいという思いが、愛国意識の、より初期の存念なのではないかと考えられます。
それが、徐々に隣のテリトリーの方が快適な環境であると考えた場合に、そちらを支配下に置こうと紛争が生じていくのだろうと思われます。ここまでは、人間以外の動物にでも見受けられるような事象かもしれません。
人間の「愛国心」「民族主義」というものは、自分の住む土地を守りたい、自分たちがより快適に過ごしたいため周囲の土地を手に入れたいという原始的な欲望に、自分の住む「場所」を神聖なものとした宗教意識が付加されたところに、人間の特異性があるような気がします。その宗教観のようなものが、時に狂信的な愛国心、民族意識につながり、結果的に差別意識や他の国や民族に対する優越意識を生じさせてしまっているのではないでしょうか?そうして、「自分たちが世界で最も優れており、世界を征服しなければならない」というような誇大妄想を抱いた場合、周囲や世界に甚大な被害をもたらすのではないでしょうか?
そして、民族というものは何なのだろうという疑問も抱いてしまいます。
例えば、日本人は大和民族と言っていましたが、大和民族とは何なのでしょうか?縄文人が渡来系の人たちや弥生人との混血を進めていく中で、どの段階が純粋な大和民族と言えるのでしょうか?
英国はアングロ・サクソン系と言いますが、そもそもが英国王室は、プランタジネット朝のころは、ほぼ完全なフランス人であったわけで、その後もドイツなどの諸侯との政略結婚を経ていますので、王室自体が、まるでアングロサクソンではないとも言えます。国民も然りです。元来、ケルト系やアングロサクソン系、フランス系、北欧系などが複雑に入り混じっています。
ドイツでゲルマン魂とよく言いますが、純粋なゲルマン人などどれほど存在しているのでしょうか?
自分が「○○民族」であるという発想自体が、実は幻想なのではないでしょうか?
民族意識というのは、この幻想に酔ってしまっている、ある意味ナルシスティックな意識なのかもしれません。

もっとも、私は、日本が存亡の危機に立たされた場合、自分としては日本を守るために命を捨てられるだけの勇気を持ちたいと思ってはいます。これも十分自己愛的な愛国意識ではあると思いつつも、やはり日本を汚されたくないという思いは強いです。
愛国心を、自衛の為のみに限定させるにはどうしたらいいのでしょうか?
他国を侵略して、自国を富ませたいという利己的な愛国心はどうしたら、抑制できるのでしょうか?
人間が有するようになって日の浅い、民族意識、愛国意識を、もっと深く理解していく必要がある時代なのではないかと思っています。

2022年3月25日(金)

 愛国心(2)
投稿:長野 央希
ドイツの愛国意識というのも、ロシアと時間的には大差はないかもしれません。ドイツやイタリアでは、根本的に統一国家ができたこと自体が19世紀末のことになります。それまでは、神聖ローマ帝国は存在しておりましたが、まともな統一国家の態をなしていた試はありません。カール5世のときに、ハプスブルク家による神聖ローマ帝国は最大の版図となりました。ドイツ、オーストリア、ハンガリーなどの東欧、イタリア、スペイン、ポルトガルから中南米に至るような広大な領土ではありましたが、そこに住む住民が、神聖ローマ帝国の臣民であるという認識を抱いていたとは思われません。そもそも、ローマ帝国内の王侯貴族自体が、帝国の一員という意識すらなかった可能性があります。
大体が、ドイツ国内の数多く存在している諸侯の王侯はドイツ語を野蛮な言葉として、あまり使用していなかったりしています。カール五世の時代には、宗教革命が起こり、ドイツ農民戦争や、諸侯同士の内紛が勃発しました。これらの歴史を見ても、現在のドイツという土地で、ドイツ人がドイツ人であるという意識を持ち出したのは、ナポレオン戦争に敗北してからであったといえましょう。フランスに敗れたことで、ドイツという民族意識を強く認識し、民族としての危機感を強めたといえるかもしれません。すなわち、ドイツ民族の民族意識は19世紀初頭に芽生えていったといえます。そういった民族意識の醸成に、グリムなどが大きく影響を与えたといえます。しかも、ドイツが初めてドイツ帝国としての統一国家を形成したのは19世紀末ですから、ほとんど明治日本と歴史的には変わりません。そんな短期間の愛国意識が、第一次、第二次世界大戦において、最終的にはヒトラーによる影響もあり、狂信的な民族意識となって、世界中に多大な被害を及ぼしたのです。
翻って、日本はどうかというと、日本も明治になるまでは、基本的には、それぞれの藩こそが国であり、日本人としての意識というのはかなり希薄であったと思われます。それが、明治になり、天皇陛下のもとでの統一国家を形成していきました。日本人としての民族意識やアイデンティティというものは、それこそ明治の中盤以降になって、初めて国民に浸透していったのではないかと思います。
では、より古くから愛国意識を芽生えさせた国々では、それがいつ頃からかを考えますと、英国では清教徒革命、名誉革命を経て、王の権力をそぐ形で、市民が力を持つようになってからと言えます。すなわち、17世紀末です。フランスでは、フランス革命以降、国王が処刑、貴族が追放され、市民が力を持ってからと言えましょうから、18世紀末になります。
米国は、まさに愛国意識の発露が独立戦争につながっていると考えられますので、やはり18世紀末です。こう見ていくと、より古くから愛国意識、民族意識を抱き始めたといっても、たかだか数百年なんだとわかります。
我々人類は、この愛国意識や民族意識というものを有するようになり、歴史が浅いのだと理解する必要があり、そのため、実は、未だにこの意識を飼いならせていないのかもしれないと思いいたるのです。

2022年3月25日(金)

 愛国心(1)
投稿:長野 央希
昨日、ウクライナのゼレンスキー大統領が、国会でオンラインでの演説を行いました。欧米各国の議会で演説を継続していくものと思われます。ゼレンスキー大統領からすれば、日露戦争の日本海海戦ではありませんが、まさに「皇国の興廃、この一戦にあり」という状況が連日続いている状況で、わらにもすがる思いで、救援を呼び掛けていると思います。自国を愛するという意味では当然の行為であるといえます。一方で、各国の国会、議会が何故ウクライナのゼレンスキー大統領に演説する場を設けているのでしょうか?ロシアの戦争犯罪を憎む心の表れなのだろうと思います。しかし、地球上で戦闘、紛争地域は数多くあり、非常に悲惨な状況に置かれている人たちはいくらでもいるのです。そういった当事者は、決して先進国の議会で発言するような場は設定してもらえません。フセイン大統領時代のイラクに対して、米国は大量破壊兵器の存在を理由に、イラクへの攻撃を実行し、最終的に政権の転覆に成功しました。結局、イラクには大量破壊兵器は存在していなかったのに、ほぼ米国の言いがかりと言えるいちゃもんは正当化され、イラクの言い分に、誰が耳を傾けたでしょうか?今回の、ウクライナが核兵器を製造しているというロシアの言いがかりとどっこいどっこいのことを米国は行ったにもかかわらず、ウクライナには世界の同情が集まり、イラクは無視される形になりました。イラクやシリアなどの言い分を聞く場は設けられないのでしょうか?これは、そういった国の体制の問題なのでしょうか?あるいは、非白人国家だからでしょうか?
ウクライナの今の国難は当然悲劇であり、早急に事態の解決を図る必要があるのは間違いないのですが、同様にその他の事態の打開を図るべき悲劇的な紛争、係争地域にも、目を向けられるように、彼らの言い分を拾い上げてあげられるようにしていく必要があると思います。

一方で、今回のロシア・ウクライナ戦争について、あれこれ考えています。今回の戦争の発端はそもそも何なのか。ロシアの言い分では、ウクライナはロシアとともにあることが当然だという基本認識が根底にあるのでしょうか?この発想は、プーチンやその取り巻きに特有の考えなのでしょうか?それとも、ロシアの民衆の多くが悲願とするような共通認識なのでしょうか?だとすれば、スラブ民族としての民族的な希望になるのでしょうか?そうであるのなら、そういった愛国的、民族主義的な発想はいつからあるのでしょうか?
そもそも、ロシアという国は、かなり長いこと、モンゴル帝国の支配下に置かれておりました。16世紀になり、ようやく、その支配から解き放たれはするものの、その後も統一的な国家が誕生するには、ピョートル一世を待つ必要がありますし、トルコとの黒海沿岸を得るための戦いに勝利するエカテリーナ二世時代にようやく広大な統一的ロシア帝国が出来上がったといえるように思います。18世紀から19世紀初頭のことと言えます。その後、ナポレオンとの戦争に、うやむやながら勝利しますが、その後から、愛国的な貴族が主体となる、皇帝独裁への反発が起きる様になり、度々、ロシア皇帝が暗殺されるようになっていきます。しかし、ほぼ一貫して、ロシアの多くの民衆は、置き去りにされていたように見受けられます。かなり遅くまで農奴制が存在していたため、民衆の民族意識などはあまり育ちにくかったのではないかと思います。
ロシア人が愛国意識や民族意識を高めていくのは、ロマノフ王朝末期からソビエト連邦になってからといってもいいのかもしれません。つまるところ、20世紀初頭のことです。たかが100年ちょっとの愛国意識と言えます。


2022年3月24日(木)

 3月11日
投稿:長野 央希
東日本大震災発生から、ちょうど11年が経ちました。
復興も進んでいる一方で、依然として避難生活を余儀なくされている方々も少なからずおられる状況です。震災の残した傷跡の大きさはとてつもない物です。2011年の3/13〜15と震災直後の石巻に災害救護班として訪問した際の記憶は今でも鮮明に残っております。海で漂流していて自衛隊に救助され、病院に搬送された方の、磯の匂いにヘドロの入り交じったような臭気は強烈に思い出されます。震度4クラスの余震がひっきりなしに起きている中で、避難所のグランドにてサッカーに興じる子供達の笑顔に、こちらが救われたりもしました。3/15は雪のちらつく寒い日でしたが、病院前でトリアージをしている時の凍えるような寒さも忘れられません。何よりも、宮城県庁の玄関に避難しているおびただしい被災者の方々の姿、石巻日赤病院のエントランスで避難して疲れ切って寝ている被災者の方々の姿を思い出すにつけ、涙が出そうになります。家や財産や、それどころか肉親までをも一瞬にして失うという、尋常ではない状況を思うと、もはや言葉になりません。
日本はどこに住んでいようと、何らかの天災に見舞われる可能性の高い国ですので、我々が経験してきた様々な天災の記憶は、決して風化させてはならないと強く思います。そして、そういった経験から得る教訓を、今後の災害に備える糧にする必要があるともいます。
震災の被害も大変悲惨な物でありますが、現在のウクライナ情勢も極めて悲惨な状況にあるといわざるを得ません。こちらは完全に人災ですが。
ウクライナ国内の複数の都市や町が、一週間の間、破壊され続けているのです。原発が破壊されるような事態になれば、福島原発をも超えるような未曾有の被害をもたらしかねません。そうなった場合、向こう十年以上、人の住めないような場所がいくつも出来てしまうかもしれません。非軍人への無差別的攻撃を継続しているロシアの行っていることは、完全に戦争犯罪であるといわざるを得ません。ここに来て、津軽海峡にロシアの軍艦が航行するようになっており、日本への挑発といってもいいような行動を取り始めました。
ロシアという国、プーチン大統領が、何か自暴自棄になっているのではないかというくらいに、理解できないような破滅的行動をとっているように思えてなりません。
日露戦争において、日本はロシアの経済力や軍事力に遠く及ばないような状況の中で、薄氷を踏む思いで戦争を行い、勝利いたしました。とりわけ日本海海戦でのバルチック艦隊の壊滅は戦史においても類を見ないような完勝であったと言って良いでしょう。すなわち、小国でも作戦において工夫し、努力を積み重ねれば、大国を撃破できるということです。また、日露戦争では、日本軍はロシア国内でのコミュニストたちを支援することで、ロシア国内の革命運動二手を貸し、そういったことも日露戦争を終わらせる遠因ともなったと思われます。ウクライナもロシアと比べると、極めて弱小でありますが、戦争の作戦遂行によって、あるいは戦闘以外の工夫によって、ロシアを少しずつ不利な情勢に追い込んでいくことも可能なのではないかと思います。
また、今回の件で国連もNATOもまるでイニシアチブをとれていないことから、彼らの信用を落とす結果になっているように思えてなりません。ロシアの今回の暴挙を許せば、遠からず、必ずや自分たちにも毒牙が迫ってくる可能性が高いことを肝に銘じる必要があります。日本も同様です。
現段階で、ロシアを止めなければ、災厄は世界中に拡大すると思います。
今止めなくてはならないのです。
そして、天災は人間の力ではいかんともしがたいのに対して、人災は、人の努力で拡大を予防することも可能と言えます。
ロシア政府以外のロシア国民の良心を信じると共に、戦争を終結させる様々な布石を打っていかねばならないでしょう。



2022年3月11日(金)

 業務連絡
投稿:長野 央希
現在、新型コロナウイルスワクチンの三回目接種を継続的に行っておりますが、ファイザー社製のワクチンの供給が止まりましたので、3/7の週の間にはモデルナ社製のワクチンに移行していくこととなります。
その旨、よろしくご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。

2022年3月6日(日)

 人間の尊厳を守る戦い
投稿:長野 央希
ロシア・ウクライナ戦争が激しさを増していおります。ウクライナ第二の都市であるハリコフの市庁舎が爆撃されるなど、ロシア軍による無差別攻撃が顕著となっております。当然、ロシア政府はその点を認めはしませんが。
また、ロシア兵が演習といって、連れてこられたのが実際の戦場で、だまし討ちのような形で戦死しているというような報道もされております。勿論、戦時下なので、ウクライナの報告を全面的にはうのみにはできないとは言え、さもありなんと感じてしまうような状況です。戦地で、辛い思いをしているのは、ロシアの若者です。ロシアの戦争指導をしている政府、軍の要人は、みなモスクワなどの安全な場所にいて、若者を次々と死地に赴かせています。もし、プーチンやその他の政府首脳も、ウクライナの戦場の第一線で、銃弾に身をさらしているようなら、まだ説得力はありますが、そんな危険に身をさらすことはないでしょう。
このまま、ウクライナへの激しい攻撃が続けば、キエフなどの主要都市の陥落は時間の問題です。しかし、必ず、ウクライナ国民は地下組織として、ゲリラ戦を展開し、ロシアの占領に対して、激しい抵抗を続けていくでしょう。その場合、ロシアの被害は甚大になります。その結果は、多くの若者が傷つき、死んでいくことになります。
それでも、ウクライナを占領した場合には、プーチンはその功績を喧伝し、より一層発言力を強めてしまうでしょう。そうなったときに、プーチンのやり方に反対するものや、彼の思惑に反するようなもの、機嫌を損ねるような者たちに、攻撃の矛先を向けることは想像に難くありません。今、ウクライナの民間人をも無差別に殺戮している状況が、今後ロシア国内で展開されることになります。要するに、全ロシア国民は、プーチンの将棋の駒となることを要求されるのです。かつて、帝政ロシア時代に存在していた農奴のように、支配者に生殺与奪の権を握られ、一切の自由を奪われた、新たな農奴制ができてしまうかもしれないのです。
今朝のニュースで、ウクライナ大使館に花を手向けようとしたロシア人家族が、小学生の子供も含めて逮捕されたそうです。そして、両親は親権をはく奪されるかもしれないということでしたが、狂気の沙汰です。恥ずべき出来事です。
どうかロシアの国民皆さんが真剣にこれからの自分たちのありようをよく考えていただきたいと思います。現状のロシア政府のやり方を続ければ、近いうちに、自分たちが奴隷のような立場に貶められてしまうかもしれないのです。自由を、そして人としての尊厳守るために立ち上がることが、今こそ必要なのだと思います。

2022年3月3日(木)

 ロシア
投稿:長野 央希
ロシアのウクライナへの侵攻が開始されてから、5日目に入っております。激しい、戦闘が続いておりますが、キエフを含めて主要な都市は陥落せずに、よく持ちこたえております。昨日には、両国での和平交渉が行われ、予想通りながら、それほどの進展もなく、ただし、二回目以降の和平交渉につながるという意味では、ある程度の意義はあったと前向きにとらえたいとは思います。

私は、昔からロシアの文化に親しみを感じてきた者です。アレクサンドル・プーシキンの詩、作品を好んで読んでおりましたし、チャイコフスキーの音楽も好きです。また、ロシア民謡も、深い哀愁を帯びた素晴らしい曲がたくさんあり、好んで聞いている時期がありました。
また、当院にも、ロシア人の患者さんが時に来院されますが、多くの場合、気のいい人が多い印象です。
個人個人でいえば、ロシアの方々は、決して信頼に値しないような人たちではないのです。そういう意味で、ロシア国外で暮らすロシア人の人に対して、偏見を抱いたり、迫害を加えるようなことは厳に慎まねばなりません。それは決してやってはならないことです。
しかしながら、政治が絡んだ途端に、ロシアという国はまるで信用できない国になってしまうという傾向があります。この特徴は、帝政ロシアの時代から、ソビエト連邦の時代、そして今に至るまで一貫しているといわねばなりません。
今回の件も、侵攻に踏み切ったロシアが大義がないだの、道義上の問題がどうのこうのなどと世界が非難しますが、そもそもロシアが道義上の問題を気にしてきていたのなら、今頃、おとなしい小国であったに違いありません。
第二次世界大戦末期には、日ソ不可侵条約を、当然の如く、一方的に破棄して、満州に攻め込んできました。彼らの野望を果たすためには、約束を守るということが、彼らの行動を規制しないようなのです。

一方で、今回の侵攻が、ロシアにとってどれほどのメリットがあるのかもよくわかりません。現段階で、ロシア軍内でかなりの死傷者も出ており、莫大な軍事費が湯水のように消費されております。加えて、世界各国からの経済制裁で、日に日にロシア国内は、生活状況が悪化していくことが予想されます。そうなっていったときにロシア国内の世論や国民感情が現政権に対して攻撃的になる可能性も否定できません。今回の戦争の成り行きいかんによっては、ロシア国内で反政府運動や革命闘争が起きてしまうこともあながちあり得ない話ではなくなるように思えます。
日露戦争、第一次世界大戦を経て、軍事費がかさみ、最終的にロシア革命につながり、帝政は終わりを迎えました。
状況により、プーチン政権が終焉をむかえることもあり得ます。
また、NATOのやりようによっては、第三次世界大戦の勃発の引き金を引くことも考えられます。しかも、それは間違いなく核戦争につながっていくでしょう。そういうことも見越して、ロシアは真っ先にチェルノブイリを押さえたのかもしれません。世界大戦とならずとも、ロシアへの経済制裁で、ロシアの天然ガスや石油の欧州への供給が止まりますので、欧州内での生活水準も低下することが想定されます。両陣営とも、国内での痛みを感じつつの戦いが続いていくことになるでしょう。我慢比べの様相を呈してくるでしょう。どちらが、貧しいことを耐え忍べるかという戦いにもなります。
日本は、太平洋戦争の際は「欲しがりません、勝つまでは」を実践していましたが、今の日本人がそういったことを忍従できるとは到底思えません。
万が一、世界大戦に発展するようであれば、日本国内でも、国民全員が生活水準を落としていく必要が出るかもしれません。我々にはその覚悟があるでしょうか?
どんな理由があるにしろ、人同士で殺しあうという戦争行為が、どれほど無益で、どれほど悲劇的なことなのかを再確認し、戦争以外の外交手段に切り替えていってほしいと切望します。

2022年3月1日(火)

 ロシア・ウクライナ戦争
投稿:長野 央希
ロシアが電光石火のごとく、ウクライナに侵攻し、地上軍がキエフに入城しているという報道を見ました。だとすれば、キエフ陥落は時間の問題であると言わざるを得ません。
ロシアとしては、本気でウクライナを植民地化するという意図があるというよりは、NATOへの加盟を熱望したウクライナへの懲らしめであったり、報復の意味が強いのではないかと考えます。NATO加盟を企図する現ウクライナ政権を転覆させて、ロシアの傀儡政権にすげ替えるというのが、現段階でのロシアの目的なのかとも思います。
ここまで、ロシアがウクライナのNATO入りを拒むからには、NATOが隣接地帯まで勢力を拡大することへの強い恐怖の裏返しなのではないでしょうか?非常に強い危機感を抱いているからこそ、予想を超えるような軍事動員を行っているのではないかと思われます。
ただし、ウクライナを完全に征服するということは、極めて難しいことになるでしょう。恐らく、長きにわたって、各地でのゲリラ戦が続く内に、ロシア国内での厭戦気分が盛り上がっていく可能性も高いように思います。
そもそも、ロシア国内において、反戦デモが起きているように、どれほどのロシア国民が今回の戦争を支持しているのかも、よく分かりません。
確実に一定数、過剰な愛国主義をひけらかして、領土拡大を主張する人たちがいるのは間違いありませんが、世論調査をしてみてほしいところではあります。
また、現段階で欧米や国連はロシアを非難することはあっても、直接的な働きかけは行っていません。何か、軍事的作戦を画策しているのかどうかというところに注目しています。少なくとも、米国を主体にして、経済制裁を加えることは間違いないようですが、ロシアがそれを踏まえても、今回の軍事行動に移るからには、経済制裁をはねのけるようなバックボーンがあるに違いありません。そうなると、間違いないのは中国の支援です。
恐らく、中国は今回のロシアの挙動を見て、先例にならうという形で、近隣諸国に対しての侵攻、軍事行動を起こす口実とする可能性が高いと考えざるを得なくなります。
つまり、今回のロシアの暴挙を世界が容認すれば、確実に中国も同様の行動を取り出すであろうと言えます。
我々は、ウクライナを対岸の火事と考えてはならないのです。
今回のロシアの行動を黙認すれば、大国が自国の欲望に対して素直に行動するような、19世紀の帝国主義の時代に逆戻りすることになリ兼ねないのです。
日本も、中国やロシアの攻勢をまともに受ける危険も高くなります。それを日本国民が理解している必要があります。我々は自国を守るための方策を練る必要があります。その為には、スカッドミサイルやパトリオットの配備などの小手先の議論ではなく、自衛隊を軍隊とするのかといった、憲法第9条の改正を含めた根本的議論を早急に行う必要があります。場合によっては、国民皆兵のように徴兵制を敷かねばならないような状況になり得ます。我々日本国民は、長く平和ぼけしてしまっていますが、本気で「自分も兵隊に行かねばならない」可能性を皆で真剣に考えねばならないのだと思います。
江戸幕府を倒して、明治維新を打ち立てたのは、当時欧州列強が帝国主義のもと、世界中で傍若無人な振る舞いをしていたことに対スル強い危機感によるところ大でした。いま、傍若無人な振る舞いをする国が変遷してはいますが(ロシアは当時も列強の一つでしたが)、日本は再度自衛のために、国民が強い自覚を持つべき時代なのだと思います。

2022年2月25日(金)

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