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 『スマホはどこまで脳を壊すか』を読んで (2)
投稿:長野 央希
スマホを含めて、デジタル機器の便利さは間違いのない事実です。
ただ、便利さとは、人間に楽をさせるということになり、結果的に、人間のある部分を退化させてしまう可能性があると言うことです。
スマホのヘビーユーズを、子どもの頃から習慣化してしまうことで、前頭前野をはじめとする脳の様々な部分のハッタウを阻害してしまうリスクがあると言えます。
また、長い目で見ると、将来的な認知症の発症につながる恐れがあることを認識しておく必要があります。

人間というのは社会的な生き物です。社会性が失われれば、人間は人間たり得なくなるのかもしれません。ネットを主体にした人間関係が主流になることで、コミ入ケーション能力の低下から社会性が失われていくのかもしれません。

今や、日本ではデジタル庁が出来て、色々な面でデジタル化を推進しています。
デジタル化することで、煩わしいような事務作業が大幅に減少するのは大歓迎ですが、はたして、闇雲にデジタル化することで、長期的な人間に備わる様々な能力の退化につながるのではないかという考察を行っていく必要があると思うのです。そして、スマホ依存のような問題はこれから本格的に研究されていくでしょうから、自己統制が上手く出来ない子どもの時分から、スマホを頻繁に使用することが安全なのかもよく考えていかねばならないのだと思います。
「酒やたばこは二十歳になってから」というように、スマホもある程度自制心が身についてからという時代に今後はなるのかもしれません。

インターネットやデジタル化というのは始まったばかりの物ですので、ある意味、手探りでその利用法を考えていく必要があるでしょう。
デジタルに支配されてないけないのだと思います。あくまでも人間がデジタルを使いこなしてこそ、その真の有用性を享受できると思います。

また、今後、オンライン診療というのが普及していくのだろうと思いますが、個人的には、あまり頻用したくはないと考えています。
まず、オンライン診療のよい適応となるのは、仕事などで多忙な、安定した高血圧の患者さんなどではないかと考えています。それでも、毎回をオンライン診療にするのは望ましくないでしょう。
ましてや定期的に血液検査を要するような高脂血症や糖尿病などの患者さんは出来れば、直接来院していただきたいと思います。
先述の通り、オンラインでの人間同士の交流というのは不十分であるという事実を考えると、直接診察させていただくのには遠く及ばないといえます。
また、もしオンライン診療が医療の主体になるのであれば、もはや医者は人間である必要は無いでしょう。AIで十分ということになります。

デジタル化というのは、これまでの歴史上、誰も経験したことのない革命的な変化であります。
大げさかもしれませんが、この激変を通して、人間そのものの存在自体を見つめ直す良い機会なのではないかと思っています。

2023年7月7日(金)

 『スマホはどこまで脳を壊すか』を読んで (1)
投稿:長野 央希
『スマホはどこまで脳を壊すか』(榊浩平著 朝日出版)を読みました。
かなり刺激的な題名ではあります。インターネットの普及から数十年という人類史からすれば微々たる時間経過とはいえ、あっという間に人間社会に欠くべからざる様な重要な位置を占めるに至ったツールが、一体人間にどういった影響を与える物なのかというのに、以前から興味がありました。
題名に負けず劣らず、内容も衝撃的な物でしたが、ある意味、何となく予想していたような部分もありました。
まず、スマホを含めたデジタル機器の使用過多が人間の前頭前野の発達を抑制してしまうと言うことでした。ネット使用頻度が高いことで、言語に関与する領域をはじめとして、様々な領域の脳の発達に悪影響を与えていると言うことも分かってきたようです。
そもそも、もともとコンピューターという物が、人間に楽をさせるための機械です。一方で、脳の発達は、色々な学習を行うという脳への負荷をかけることで成り立つ物ですので、楽をするためのコンピューターを使用しての学習という作業自体が矛盾を内包しているのです。
確かに、個人的な経験で、インターネットで読んだ知識というのは明らかに記憶に残り憎く、昔から自分は、プリントアウトして紙媒体で読まないと知識が習得できないという印象を抱いておりましたので、経験的にも科学的にもうなずける話であると思います。

更に、ネットというものは、使用頻度が増せば、依存症のようになり得ると言うことでした。台湾でのスタディでは、ネット依存傾向と心の健康が調べられた解析結果として、ネットへの依存傾向が高い人たちほど、注意欠陥・抑うつ・社会不安・敵意などの症状が高まるとのことです。
SNSで、他人の自己評価を気にしすぎたり、あるいは他者の発信する近況報告に嫉妬したりしていれば、当然抑うつ的になるのも当然と言えるのかもしれません。
また、コロナ禍のなかで、人とのつながりを持とうと、インターネットを介した交流が盛んに行われました。しかし、ネットを介した交流というのが、お互いの脳活動が同期せず、要するに十分なコミュニケーションが得られないと言うことも分かってきたようです。
個人的には、ズーム飲み会はやったことがありませんが、コロナの最中は、度々医師会のズーム会議に参加していましたので、色々な意味で、イライラしてフラストレーションがたまったのを強く覚えています。
どう考えても、対面での会議に比べると、実りの少ない物であることは間違いないように思います。

2023年7月6日(木)

 胃腸炎
投稿:長野 央希
暑さもさることながら、湿度も極めて高く、熱中症のリスクが高い今日この頃ですが、ここに来て新型コロナ感染者数も徐々に増加している印象もある中、胃腸炎症状を訴える患者さんも少なくありません。
生ものや火の通りの不十分な肉類などを食べて、ノロウイルスやサルモネラ、カンピロバクターなどの胃腸炎が引き起こされるのは有名なところです。

今月、北海道の病院で、病院食によるウエルシュ菌の食中毒事例が発生しております。
ウエルシュ菌は、腸管内で増殖したウエルシュ菌が産生・放出するエンテロトキシンによって発症する物ですが、特徴として、一つの事件で大規模事例に発展することが多いと言われています。
というのも、施設や飲食店で、大量に加熱調理された原因食品が、室温で数時間から一晩放置される過程で原因食品内で菌が増殖していくためです。
潜伏期間は6〜18時間で、腹痛や下痢雅が主たる症状となりますが、嘔吐や発熱はそこまで高頻度ではありません。
カレーやスープなどを作って、室温で保存しておくことは控えるべきといえます。

私は、以前は鳥刺しが好きで、お店で見つけると、しばしば食べていましたが、最近は提供するお店もついぞ見かけなくなってしまいました。
また、生牡蠣も2回ほどあたっていますが、未だに好きな食材の一つです。
ホヤとかナマコなどの周囲が遠慮しがちな食べ物も好きで食べます。
胃腸炎のリスクがあるとは思いつつ、生ものの美味しさには抗えない魅力があります。
一方で、私は家で食べ物を作るときは、カレーやスープなどは無理してでも食べきっているため、ウエルシュ菌のリスクは極めて低いだろうと考えています。
とはいえ、殊に夏場は食中毒に対して注意を払い、胃腸炎の予防に努めていく必要があると思いますので、皆さんもお気をつけ下さい。

2023年6月29日(木)

 オズウイルス
投稿:長野 央希
昨年2022年初夏にウイルス性心筋炎で亡くなった茨城県の70代女性からオズウイルスが検出されたという報道を見ました。
正直なところ、このオズウイルスというウイルスをこれまで聞いたことがなく、国立感染研究所のHPで勉強させてもらいました。
このウイルスは2018年に新たに分離同定されたものとのことです。
しかも、現在の所、日本以外では同定されたことがなく、しかも、この亡くなられた女性が世界初のヒト感染の報告例であるとのことです。
オズウイルスというのはオルソミクソウイルス科トゴトウイルス属で、基本的にはマダニやヒメマダニを媒介動物として、脊椎動物に伝播するようです。
トゴトウイルス属の中には、Bourbon virus(BRBV),Dhori virus(DHOV),
Thogoto virus(THOV)といったものがあり、前2者は脳炎や髄膜炎を惹起させているという報告が有り、後者は急性骨髄抑制を引き起こしたとのことです。
マダニ媒介の感染症で言えば、従来有名なものとしては、ツツガムシや日本紅斑熱(リケッチャ感染症)や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症が挙げられます。SFTSは依然として、重症化リスク、致死率とも侮れないものがあります。ただし、現段階では、西日本が主体であります。ただ、今後は温暖化が進めば、新潟であろうと東北であろうと感染地域が拡大していく恐れがあります。
いずれにしろ、マダニに咬まれた場合に重症感染症を発症する可能性があると言うことは認識しておく必要があります。
これから、夏場にかけ肌の露出も増え、山や森林などの自然の豊かな場所に行く機会も増えていきますから、マダニへの意識も忘れないようにしていただければと思います。
私も、山歩きをしますが、以前は暑くて半袖短パンという出で立ちであったことはあります。しかし、一度ウルシの木に知らずに接触して、腕が広範囲にかぶれたことが有り、ひどい目に遭いました。それ以降は極力肌を出さないようにしています。
マダニの多いような地域では、くれぐれも露出を減らし、帰宅したら、早めにシャワーを浴びるなどのことに気をつけいただきたいと思います。

2023年6月23日(金)

 北別府さんの御冥福をお祈り致します。
投稿:長野 央希
広島の往年のエースであった北別府学さんが、本日永眠されました。
成人T細胞白血病(ATL)で骨髄移植後の容態が思わしくないということはSNSなどで伝え聞いておりましたので、ある程度覚悟はしておりましたが、大変残念です。
65歳と言うのは、現代では大分若いといわざるを得ません。
自分がカープファンになった頃というのは、北別府、大野、やや遅れて川口という先発三本柱がいて、ストッパーで津田がいてという時代でした。
津田さんは、本当に若くして脳腫瘍で亡くなられ、そのときも、大きなショックを受けたものです。
衣笠さんも亡くなり、今回北別府さんも亡くなり、カープの黄金時代を支えてきた方々が、鬼籍に入られたり、年老いていく姿を目の当たりにするのは、仕方の無いこととはいえ、大変さみしく思われます。


北別府さんは、現役時代は野球で、ATL罹患後は、骨髄移植も含めて闘病に全力投球されてきました。移植後は、大分辛い日々であったでしょうから、本当に頑張り続けた人生であったのだと思います。だからこそ、心の底から「お疲れ様でした。ゆっくりお休み下さい。そして、本当に有難うございました。」と言いたいと思います。
御冥福をお祈り致します。

2023年6月16日(金)

 初夏
投稿:長野 央希
毎週魚沼に行っておりますが、田んぼ山々の青々した美しい季節になってきました。まだ、蛍が出るには早いかなと思いつつ、個人的に好きな蛍のスポットに行ってきました。流石にまだ蛍が飛び交っているような状況にはありませんでしたが、一匹だけ川から田んぼまで広範囲に飛んでおりました。
毎年、必ず蛍の飛び交う時期に先んじて、一匹ないし二匹程度飛び出す印象があるのですが、今年もそういったフライングのように一匹のみ飛んでおりました。いつもの如く、このフライングのような蛍は子孫を残すために相手を見つけられるのだろうかと心配になってしまいました。ほとんど仲間が見つからないような環境下で孤独に生きていることを踏まえると、あの光は哀愁以外の何物でもないように見えるのですが、もしかすると、周りとの軋轢もなく、思う存分飛び回れることが、実は自由を謳歌しているような誇らしい生きざまなのかもしれないとも思えて、何か複雑な気持ちになります。
来週辺りから、もう少し蛍の飛ぶ数も増えてくるのではと期待しつつ、見守っていきたいと思います。

また、早朝には、田んぼの上空を燕が沢山飛び回っていました。餌となる虫はたくさん飛んでおりましょうから、燕にとっても実にいい季節になったと思えます。
山と川に囲まれ、一面田んぼが広がる地域を散歩するだけで、心がきれいになる気がします。
勿論、数十年前から比べれば、大分自然が減り、蛍なども生息域が大分狭まっていることは間違いないのですが、それでも、日本の原風景の残る魚沼という地域がとても好きです。何とか、この美しい風景をいつまでも残していきたいものです。
それでも、高齢化が進み、若者の流入が減少すれば、田畑も里山も土地が売りに出されてしまう恐れがあります。結果的に、外国人に購入されてしまい、外国籍の土地になってしまうのではないかと言う危惧、起業家による買い占めなどから、美しい自然が営利目的に破壊されてしまう恐れを抱かざるを得ないのです。こういった不安が杞憂に終わってくれればいいのエスが、日本の美しい原風景を守るには、それ相応の努力が必要なのだと思います。

2023年6月8日(木)

 業務連絡
投稿:長野 央希
連休明けで、徐々に、2023年度の新型コロナウイルスワクチン接種券が送られつつ在るかと存じます。
ワクチン接種のご希望が在りましたら、御電話にて御予約をお願い致します。
025-260-5921でつながりにくい場合は、025-260-7243におかけください。

該当者は65歳以上、12歳から65再未満で基礎疾患がある方、医療関係者となります。それに該当されない方は9月までお待ちいただくこととなります。
ただし、65歳未満でも、初回のワクチン接種(1,2回目)の方は、ワクチン接種が可能です。ただし、初回ワクチンに関しては、いわゆる従来型ワクチン
(二価ワクチンではない)になります。

また、新潟市の方針として、今後のワクチンはモデルナ社製の二価ワクチンになる予定です。当院でも、現在はファイザー社のものがストックが在るので、当面はファイザー社製ワクチンになりますが、ストックがなくなり次第、モデルナ社のものに切り替わりますので、御承知おき下さい。





なお、レバレジーズという看護師さん向けのサイトに当院が紹介されておりますので、ご興味がある方は以下〜アクセスしてみてください

https://kango-oshigoto.jp/media/article/38894/
2023年5月15日(月)

 ゴールデンウイーク中の業務形態など
投稿:長野 央希
連休中の業務時間は以下の通りとなります。

5/2までは通常通り
5/3 休診
5/4 9:00〜12:00 発熱外来のみ
5/5  休診
5/6 通常営業(9:00〜12:30)
5/7 休診
5/8以降は通常通り

5/4の発熱外来ではインフルエンザ及び新型コロナウイルス抗原検査は行えますが、PCR検査は行えませんので、御了承ください。

なお、5/8以降 感染症法改定で、新型コロナ感染症も感染症法5類となりますが、ここにきて、新型コロナ患者数の増加の懸念もあることと、発熱以外の患者さんの気持ちの整理がすぐにつかないことを考えあわせ、5月以降も、当面は発熱患者さんは、基本的に発熱外来での診療とさせていただきます。
現状通りで、発熱外来に関しては予約制となりますので、御電話でご相談ください。

2023年4月24日(月)

 業務連絡
投稿:長野 央希
4/1より、9価の子宮頸がんワクチンが公費となりました。
1回目の子宮頸がんワクチン接種ご希望の方は適応となりますので、御電話にてご相談下さい。
尚、既に1、,2回目の接種をされておられるかたは、適応外となってしまいますので、御了承ください。

また、2023年度の新型コロナワクチン接種が5/8から開始となります。65歳以上、もしくは65歳未満でも基礎疾患のある方、医療関係者が、適応となりますので、接種券が届きましたら、ご予約をお受け致しますので、御電話にてご相談ください。65歳未満の基礎疾患を有しない方は、今年の9月以降の受付となる予定との通達ですので、
これまでの3回目、4回目、5回目のワクチン接種を希望される方は、ゴールデンウィーク前に接種の予約をお入れいただきますよう御注意下さい。

2023年4月3日(月)

 タモリ倶楽部
投稿:長野 央希
この3月で40年続いてきたタモリ倶楽部が放送終了となってしまいました。
私は、高校や浪人時代から、ニッポン放送のタモリさんのラジオ番組を好んで聴いておりましたが、あのゆるい感じの放送が好きで、それと同じような緩くて、力のこもらない番組作りのタモリ倶楽部にも似たような好意を抱いていたものでした。
制作費も少ない中で、創意工夫をすることで、カバーするという姿勢も、昨今の金をかけて面白くするという世の中の風潮に逆らっている感じも好感が持てました。ハリウッドなどのように大金をかけて、迫力や感動を作り出そうとするやり方が、透けて見えてしまうと、私のようにひねくれた人間は、何か興が冷めてしまうのです。その対局にいたのがタモリ倶楽部と言っても過言ではないかもしれません。そもそも、あの制作スタッフは、視聴率を稼ごうという野心があるのかどうかも怪しく思えてしまうところも好ましくさえ在りました。
視聴者を満足させよう、あるいは出演者を満足させようという気が感じられないところが、いい意味で脱力感を感じさせてくれたものです。
また、タモリ倶楽部の中でも、空耳アワーは特に好きでした。
時に、下品で卑猥なネタも少なくありませんでしたが、深夜の放送と言うこともあってなのか、クレームをさして気にして居なさそうで、そこも、古き良きTV番組の生き残りみたいな郷愁を思わせてくれましたし、何よりくだらなすぎて面白かったと言うほかありません。
こういった一生懸命さを感じさせない番組でこそ、本当のタモリさんの良さが生きているような気がしていました。笑っていいともやミュージックステーションなどでは味わえない、タモリさんの真骨頂を満喫できた気がしています。
そういった面もあってのことなのか、タモリ倶楽部(とりわけ空耳アワー)のゲストは、意外に大物が多く出ていました。恐らく、たいしたギャラはないのではと憶測していますが、そんな中でも、かの名優の故原田芳雄さんや、メガデスの元ギタリストのマーティン・フリードマンさんの出演回などなどは記憶に強く残っています。
タモリさんも高齢となって、番組継続が難しいのかもしれませんが、番組終了は本当に残念でなりません。
都内で研修医をしている頃は、毎日が辛いときもあって、そんななかで、金曜の深夜にタモリ倶楽部を見て、癒やされつつ、今週も何とか乗り切ったと思えることが、どれほど幸せだったか忘れられません。
大変お世話になりました。お疲れ様でした。そして有難うございました。



2023年4月1日(土)

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