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 頑張れ広島東洋カープ
投稿:長野央希
昨日、パリーグではソフトバンクが優勝を決めました。
セリーグでは、まだ優勝が決まっておりませんが、ほぼ巨人で決まりでしょう。私は、広島ファンですが、今年は早々に優勝戦線から離脱してしまい、優勝を狙うという意味では、今年のシーズンは終了したと言え、残念な気持ちでいっぱいです。今年は、私も、バタバタしており、あまり野球中継を見られておらず、ネットニュースや新聞で試合結果だけ見ているような状況でしたから、広島の戦いぶりの詳細が分かっておりません。毎年、一回はマツダスタジウムに観戦に行っていたものの、今年は断念しておりましたので、尚更のこと、広島の戦い方をつぶさに見られなかったことも残念ではありました。しかし、この二年を見ていると、チームの精神的支柱であった、黒田、新井の両選手が引退してから、チームをけん引するようなリーダー、チームの苦境の際に、チームを鼓舞するようなムードメーカーが不在というのが大きいような気がしてなりません。
私は、巨人在籍時から走攻守の三拍子そろっている長野選手が好きでしたので、広島に加入した際には、年齢的にもチームのリーダー的存在になってくれるかと期待はしておりましたが、流石に生え抜きでない分、リーダーシップをとるのは厳しいのかもしれません。また、投手陣の精神的支柱になるには、野村投手や大瀬良投手だと、優しすぎるのかもしれないなどと考えてしまいます。いずれにしろ、投手陣の再建が急務であることは間違いないでしょう。
もっとも、今年は佐々岡監督が一軍監督としては初陣で、緒方監督のやり方から、自分流への移行のための選手の適正把握や、人心掌握などに時間もかかったと思われる上に、コロナ禍でスケジュールが著しく変則的であったこともあり、チームにも、ファンにも色々と我慢の一年だったのだろうと思います。ですので、残りペナントレースでは若手も含め経験を積み、秋季キャンプでチーム力の向上を図ってもらえることを期待しています。
来年こそは勝ち癖を取り戻して、Aクラス復帰、優勝を目指してほしいと切に願います。

2020年10月28日(水)

 無題
投稿:長野央希
トランプ大統領が新型コロナ感染から回復し、政治活動(?)に復帰されております。大統領選では相変わらず、新型コロナを軽視する発言を繰り返し、ファウチ氏を冒涜するような愚行を再三行っております。
個人として、新型コロナは恐れるべきではないと考えているのは自由ですが、であれば、何故、彼はコロナ罹患の際に、カクテル抗体療法やレムデシビル投与、デキサメタゾン療法などの手厚い治療を受けたのでしょうか?
もし、コロナが恐ろしくないなら、そういった高度医療を拒否して、総合感冒薬の内服くらいで様子を見るべきではなかったのかと思われてなりません。上記のような高度医療を受けられる人がどれほどいるでしょうか?
殊に、格差社会である米国では、高額な医療保険に加入していないと、大した医療を受けられないのが現実です。どんなに望んでも、トランプ大統領が受けたような治療は望むべくもないのです。
多くの米国市民が恩恵に浴せないような濃厚な医療を受けておきながら、コロナは恐ろしくないと言う発言に、彼の支持者は疑問を感じないのかと思われてなりません。全く説得力のない発言内容と言わねばなりません。
手厚い治療を拒否して、他の多くの米国市民と同じような治療のみ受けて、コロナから回復していれば、コロナ軽視発言をする資格はあろうと思いますが、現実は全く逆です。
はっきり言えば、米国大統領選などは、自分が関与できるものでもないですから、それほど大きな関心は抱きませんし、バイデン氏が大統領として望ましいのかも、分かりません。ただ、医療や科学全般に対する、トランプ氏の暴挙は許されるものではないと考えます。そして、彼の自己愛的な政治姿勢は、もはや政治と呼べるものなのかも疑問を感じますし、米国の未来ひいては民主主義の未来に、大きな禍根を残すことになると危惧しております。

2020年10月23日(金)

 コロナ第二波
投稿:長野央希
欧州では、新型コロナの第二波が押し寄せている模様です。
スペインでもマドリードを中心に流行を見せており、スコットランドでは飲食店の営業制限が再開されております。アイルランドでは再封鎖が行われたとのこと。北欧のスウェーデンでも、死者の増加に対して歯止めがきかないような状況のようです。米国では感染者数の増加、死者の増加に対して、さして有効な手立てが取れているのか判然としませんし、これからの大統領選などによって感染がどのように波及拡大するのか注視していく必要があります。インドでも感染者数は増加の一途をたどり、依然として世界規模で新型コロナの感染は終息に向かっている状況とは程遠いと言えます。
ただし、コロナウイルス自体は、元々、風邪を引き起こす代表的なウイルスであり、新型コロナの第二波においては重症者が第一波の時と同様に続出し、死者が増加の一途をたどるのかは、経過を見なければ分かりません。
コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同様に変異をきたしやすいものと推定されますので、変異を繰り返すことで、病原性がどうなるのか?
これだけグローバル化した世界であれば、確実に日本でも近日中には第二波、第三波が到来するであろうことは間違いないでしょう。
インフルエンザ時期での新型コロナの動向、合併した場合の重症化率など、未知数なことも多いため、我々医療者も最大限の注意を払っていかねばなりません。そして、今後の新型コロナウイルスが、どこまで恐れる必要があるのかも見極めていかねばなりません。無責任に、コロナは無害であるという情報を発信することは厳に差し控えねばなりませんが、いたずらに恐怖心をあおることも慎むべきと思います。
行政は、感染の研究機関や医療者の協力のもとで、より正確な科学的根拠を示しつつ、恐れるべきものは恐れ、そうでないのであれば、極力以前の様な日常生活を送るように指導をしていく必要があると考えます。
そして、少なくとも市民レベルでは、日々の手洗いをきっちり行い、外出時のマスク着用や、口鼻腔内の乾燥予防などを心がけていくことが重要と言えます。

2020年10月21日(水)

 ワクチンA
投稿:長野央希
(続き)
実際に、18世紀末に、エドワード・ジェンナーが牛痘を開始して以降、天然痘ウイルスの絶滅に成功しています。
国内で言えば、四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)ワクチンなどの恩恵を受けているといえるでしょう。
そして、毎年、季節性インフルエンザの予防接種を受けられる方も多いと思いますが、これによって、インフルエンザを完全に予防できるわけではありません。ただ、感染した場合にも、症状を軽減するとともに、インフルエンザ感染後に二次的に起きる細菌性肺炎の合併を予防する効果が期待できると言えます。
尚、韓国で17歳の健常な方が、インフルエンザのワクチンを接種後、二日目に亡くなられたというニュースを見ました。原因などは現在調査中ですので、詳細が分からず、コメントは差し控えざるを得ませんが、確かに、ワクチンにおいて、副反応(いわゆる副作用)のないものは残念ながらないのも事実であり、いかに安全なワクチンを開発し、運用していくかは永遠の課題であると言えます。いずれにしろ、この度亡くなられた方の御冥福をお祈りいたします。
肺炎球菌ワクチンも、大分一般的になってきておりますが、肺炎を起こす代表的な細菌の一つである肺炎球菌による肺炎発症を予防する目的で行います。肺炎球菌性肺炎は、重症化して致死的な状況に至ることも少なくないため、これを予防する意義は高いと言えます。ただ、これで肺炎にならないと誤解されている方がいらっしゃいますが、流石にそこまで夢のような効能は期待できません。肺炎を起こす原因は、肺炎球菌以外の細菌やウイルス、真菌、原虫など多種多様です。これらすべてを予防することは残念ながらできるわけではありません。
2013年に子宮頸がんワクチンが定期接種ワクチンに格上げされました。このワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンです。このときに、ワクチンの副反応で、多様な神経症状を呈するなどで社会問題に発展した経緯は記憶に新しいと言えましょう。
HPV関連神経免疫異常症候群:HANS症候群と名付けられていますが、この有害事象は必ずしもワクチンとの因果関係があったのか微妙な事例も少なからず、あったのではないかと考えらえています。
少なくとも、将来子宮頸がんで悩む人たちを減らすためにも、この子宮頸がんワクチンは大変意義深いと言えます。しかし、副反応で社会問題となるような状況に至り、このワクチンへの信頼は大きく損なわれてしまいました。何とかして信頼を取り戻し、このワクチンの安全な運用を模索していく必要があると思います。
最後に、話題の新型コロナウイルスのワクチンですが、現在製薬会社も、ワクチン製造に血道をあげているところですが、現段階では、その効果や安全性に関しては検証中という状況です。早急なワクチン導入は副反応などの問題で、子宮頸がんワクチンの二の舞の様になる危険もあり、慎重さが求められると思います。私は個人的に、このコロナワクチンの効果は限定的で、期待ほどのものではない恐れを抱いております。

2020年10月20日(火)

 ワクチン@
投稿:長野央希
当院でも10/12よりインフルエンザワクチン接種を開始しております。尚、65歳未満の方は10/26からになります。
ワクチン開始を踏まえ、ワクチンに関する話をいたします。
免疫学の父と言われるパスツールが「人工的に弱い病気を起こさせて、それに似た恐ろしい病気を予防する材料全体」をワクチンと呼ぶことを提唱しました。そのワクチンには、独力を大幅に弱めた生きた微生物を使う生ワクチンと、病原微生物を殺したり、毒素の活力を失わせたものを使う不活化ワクチンとがあります。ワクチンとは免疫の強化が求められます。この免疫には、抗体(免疫グロブリン)が微生物や、その毒素と特異的に結合することで、その活性を阻害する(中和)液性免疫と、マクロファージや好中球、細胞障害性T細胞といった白血球群によって微生物の潜む細胞自体を破壊する細胞性免疫とがあります。そして、ワクチンに期待される第一の効果は、液性免疫の獲得・強化にあり、とりわけ生ワクチンには後者の細胞性免疫を強く誘導する作用もあります。
とは言え、ワクチンを打ったからと言って、すぐに免疫が獲得されるわけでなく、感染防御に必要な抗体ができるのには最低一週間を要します。

こうしてワクチンによってもたらされる利益たるや、計り知れないものがあると言えます。
病気が起きてから、それに対して治療をすることは、見た目にも派手で、かつ治療効果が目に見えて分かりやすいのですが、ワクチンは病気が起きることを未然に防いでいるため、極めて効果が地味ではあります。しかし、、ワクチンがもたらしてきた功績は、抗生剤や抗ウイルス剤によってもたらされた功績を凌駕しているといっても過言ではないと思います。

2020年10月16日(金)

 大切なこと
投稿:長野央希
この度、京都府立医大のグループから、皮膚上での新型コロナウイルスの検出時間に関する報告がありました。
季節性インフルエンザ(A型)では凡そ1〜2時間なのに対して、新型コロナでは6〜11時間とのことです。また、金属やプラスチック上では、新型コロナは2〜3日検出されるという意味では、皮膚上でのウイルスの安定性が低下することが示されたと言えます。
ただ、通常のインフルエンザに比べて、大分長期間ウイルスが皮膚上に存在し得るという点で、我々が注意すべきことは、常に自分はウイルスに汚染したかもしれないと考え、指で目や鼻や口などの粘膜に触れないように注意することが大切と言えましょう。要は飛沫感染もさることながら、接触感染への配慮が極めて重要と言うことになります。
また、同グループはインフルエンザにしてもコロナにしても、80%エタノールによる15秒暴露によって、ウイルスは完全に賦活化するということも報告されています。つまり、手指のアルコール洗浄が極めて重要と言うことです。
また、これから冬場に食中毒として、しばしば話題になるノロウイルスについては、これまでに12日以上前にノロウイルスに汚染したカーペットを通じて感染が起きた事例の報告がありました。ノロウイルスは極めて感染力の高いウイルスでもあります。
ノロウイルスに関しては汚染した物の消毒処理などが大変重要ではありますが、新型コロナにしても汚染したであろう機材を次亜塩素酸で消毒することが大切です。(次亜塩素酸で体を洗うのはやめましょう)

これから、医学がさらに発展しても、ウイルスや細菌、真菌などの感染症から人類が解放される時代は望めないでしょう。しかし、感染症から身を守る術は、完全でないながらあります。それが手指衛生であり、環境衛生の整備であると言えます。新型コロナという、大きな問題を経て、清潔を保つことの重要さを再確認できたことは、不幸中の幸いであったと前向きにとらえ、これからのインフルエンザやノロウイルスの感染が本格化する季節に備えていきたいものです。

2020年10月12日(月)

 高齢者ドライバーの件
投稿:長野央希
昨日、池袋暴走事故の初公判が行われました。インパクトの大きい事件であっただけに、裁判の行方も非常に注目を集めております。事故当時は、「上級国民だから、罪が不問に付されるのでは?」とか「高齢者は皆免許を返納すべし」といったような内容のことが議論されていたことも記憶に新しいと言えましょう。
昨日の公判で89歳の被告が自分の運転操作ミスではなく、自動車の問題であったのではないかということで無罪を主張していることには驚かされました。遺族の心情や多くの国民感情を考えると、この状況で無罪を主張すること自体が、相当強靱な精神を有していないとできないのではないかと思われてなりません。暴走に関しては、警察の綿密な捜査が行われているでしょうし、私が詳細を知る由もないため、あーだこーだ言う資格もないと思いますから、意見をさしはさむことは控えます。ただ、御遺族のお気持ちは察するに余りあることだけは間違いありません。
しかし、この事故を含めて、高齢者が事故を起こすたびに、高齢者の免許返納義務の話が俎上に上がりますが、これはよく考えねばならない問題と言えます。確かに、都内の23区やその周辺のように公共交通網、とりわけ鉄道が充実しているところでは車は必ずしも必要と言えないでしょう。私も、4年間都内で働いている時には、車を持ってはいきましたが、あれば便利というだけで、なくても生活はできる状況であったと言えます。そういった恵まれた環境で生活している人たちからすれば、車の免許不要論が出てくることもうなずけます。ただ、そういった場所ではないところに住む人たちからすれば、全く状況が異なります。以前働いていた北海道の地方や、新潟の魚沼で、高齢者が運転できなくなった場合、どう生活をしろというのでしょうか?新潟市や、北埼玉といえ、状況はさほど変わらず、車への依存度が高いのが実情です。要は都内などの大都市の一部を除くと、車がなかったら、大変なことになるということを度外視して、高齢者の免許返納を論議すべきではないと思います。免許を返納させるのであれば、日々のスーパーなどへの買い出しや病院への通院を毎回タクシーにするのでしょうか?これらを公費とした場合、高齢者が増加していけばいくほど、その財源をどうするのでしょうか?
更に、高齢者と一派一からげに言いますが、大分色々な方がおられます。認知症が進行していたり、下肢の筋力低下が著しいような方は、運転すべきではないと言えますが、90歳になっても大変かくしゃくとしておられる方もいらっしゃるのです。高齢者が事故を起こすたびに、こういう話題になるのは、精神疾患の患者さんが殺人事件を起こした時の状況に似ていると言えます。精神疾患ではない人が殺人事件を起こす事例の方が多いのに、精神疾患を危険視する風潮がありますが、高齢者ではない中年や若者が事故を起こすことが多いのに、高齢者のみを危険視するのは、大分感情論に左右された議論と言わざるをえません。
高齢者の免許問題に関しては、免許を返納するのであれば、その代替となる交通手段をしっかり講じるなどの対策を練ったうえで冷静な議論をしていく必要があると思います。

2020年10月9日(金)

 トランプ氏
投稿:長野央希
トランプ大統領が退院したとのことです。
未承認のカクテル抗体療法を行ったり、レムデシビルを投与したりしている中で、SpO2の低下を認めたため、デキサメタゾンによると見られるステロイド療法を行ったとの由。ステロイドにより、当然解熱するでしょうし、呼吸状態も改善はしたでしょう。そういった病状の一時的な回復を認めたためか、外出までしておりました。これ自体、政府の方針をトップ自らが破っていることになりますし、ウイルスの排出量も多いような状況での外出という行動に良識を疑います。(もっとも、以前から彼に良識があるとは思っていませんでしたが)選挙で不利な現状を打破するために、一刻も早く選挙活動に戻りたいという焦りがあるのでしょうが、正直なところ、許されざる行為だと思います。コロナウイルスは、確かに風邪を引き起こす代表的なウイルスであり、そういう意味で風邪として軽視しきっているのでしょうが、米国では実際に20万を超えるコロナによる死者が出ております。これは、トランプ政権の無為無策というよりは、無関心、無知から適切な対応が取る気がなかったからに他ならないと言わざるを得ません。風邪の範疇を大きく逸脱している国家状況で、ホワイトハウス自体がクラスターと言える環境となっており、その責任はトップにあると言えます。感染防御をしっかり行っているとはいえ、自分の政治活動のために巻き込まれる運転手やエスピーといった人たちに感染が波及した場合、大統領はどのように責任を取るつもりなのでしょうか?米国は、曲がりなりにも民主国家であり、専制国家ではありません。国のトップのために、国民の命がないがしろにされるべき国家体制ではないことを、トランプ氏は理解しているのでしょうか?彼が、高い支持率を維持してきたことも、自分にとっては大きな謎でした。彼の対中政策があるからこそ、アジアの平和が保てているという論調を唱える人がいますが、甚だ疑問です。彼の政策(政策と言っていいのか分かりませんが)は、仮想敵国を作って、それと対決して、勝っているというアピールをする、いわゆる分かりやすい構図で大衆を扇動しているのだと思います。勿論勝っているというのは、本人がただ言い張っているだけに過ぎないのですが、だまされる人は騙されるのでしょう。米国のプロレスのWWEのように、傍から見ても分かりやすい抗争を勃発させて、民衆に面白そうに感じさせることには成功しておりますが、全く実がないと思います。
いずれにしろ、今回の一時外出の一事をとっても、彼の頭には選挙に勝つ以外のことはなく、国民に奉仕する、米国の未来に資するなどの意識が欠けていることを如実に示しているのだろうと思われます。
バイデン氏が良いのかは分かりませんが、少なくともトランプ氏が大統領として、ひいては国民一個人としての資質に大きな疑問を感じてしまいます。

2020年10月6日(火)

 最近のコロナの話題
投稿:長野央希
最近の新型コロナ関連の話題
(1)年明けには、新型コロナのワクチンを導入開始していくという政府の方針に関する報道がありました。
現状は、ワクチンの有効性も副作用や合併症も検証が不十分な段階であると言えます。ワクチン接種は公費で賄えるということですが、そもそも、新型コロナのワクチンにより終生免疫が得られるとは考えにくく、季節性インフルエンザの様に毎シーズンで予防接種を受けるのかどうかという議論も不十分で、導入に至る経緯において拙速な印象を抱かざるを得ません。ひとまず、早くワクチンを開始することで、国民を安心させたいという狙いなのかもしれんせんが、政府として手をこまねいているだけではないという、批判をそらしたいという気持ちも透けて見える気がしてなりません・・
(2)これから本格的に季節性インフルエンザの流行時期に入ります。感染症学会の指針としては、発熱時には新型コロナ、インフルエンザ両方共の検査が望ましいとしていますが、インフレンザ陽性の場合は必ずしも新型コロナの検査はせずに、インフルエンザの治療で経過を見ることもありであるというような趣旨の見解を出しています。
コロナの影響で、マスク着用の習慣がつき、手洗いの徹底がなされることで、季節性インフルエンザの流行を抑制できる可能性もあります。また、インフルエンザと新型コロナが合併した場合に、どのような経過をたどりやすいのか、重症化しやすいのかなどは注視していくべきではあろうと思いますが、現段階では未知数と言わざるを得ません。
(3)最近の話題では、やはりトランプ米大統領の感染ほど話題を振りまいたものはないかもしれません。春には感染予防で、抗マラリア薬を内服してみたり、最近までマスク着用を拒否し、トランプ支援者の踏み絵のような形でマスク着用の有無が取りざたされたりしておりました。高齢で肥満があり、重症化の恐れがあるということなのか、現状未承認のカクテル交代療法を行ったり、レムデシビルの投与を行ったりしております。一国のトップであるために、その時代で考えられる最先端の医療を施されたのか、新規治療の治験に、体を提供したのか、富豪として金に任せてありとあらゆる治療を要求したのか分かりません。米国は裕福で高い保険料を払う人には極めて高レベルな治療が行われますが、高くない保険料しか払えない人には、日本の医療から見て大分貧弱な医療のみしか受けられなかったり、場合によってはまともな医療が受けられないというシステムです。米国で新型コロナによる死者が20万を超えてしまっています。(毎年季節性インフルエンザでも1万超亡くなる国ではありますが)その中で、もう少ししっかりした医療を受けられたら救命できた人がどれほどいるのだろうかなど考えさせられます。
トランプ氏は報道では兵役を逃れたり、税金も払っていなかったり(フェイクニュースなのかどうか・・・?)と、それが真実としたら、大統領としては不適格と言えましょう。そもそも、国民としての義務を果たさない時点で、国民としての良識すら疑いますが、ひとまずどんな人であれ、まずは新型コロナからの速い回復をお祈りいたします。

2020年10月5日(月)

 音楽の力
投稿:長野央希
私は音楽が好きで、色々と聴いております。もともとはクラシックでモーツァルトやバロック音楽を好んで聴いておりました。その後、クラシックにメロディーラインが近いこともあってか、北欧系や独系のHR/HMを聞くようになりました。邦楽では鬼束ちひろさんをよく聴いています。
鬼束さんんは自分の弱さとか、負の面も含めてさらけ出して曲作りをされているように思えます。自分の弱さを表に出すということはとても勇気のいることだろうと思います。その勇気が曲に力を与えているのではないかと考えたりもします。時には、歌詞の意味がとらえようのないこともありますし、儚い内容なのに、不思議な圧倒されるような力を感じてしまいます。
仕事がつらい時など、酒を飲みながら、鬼束さんの曲を聴いていると、ぼろぼろ涙が出てくるのですが、その後大変すっきりして、翌日には辛いことなどないかのように働けているような気がします。
音楽の力という意味では思い出深いことがありました。2011年の晩秋頃だったかと思いますが、ワルシャワかチェコかの交響楽団の演奏会を聴きに行きました。予定の演奏も素晴らしかったのですが、アンコールでは『故郷』を演奏してくれました。その際に指揮者が観客に向かい、歌うように合図をしてこられました。
その年は、東日本大震災の起きた年でもあり、故郷を歌いながら、日赤の救護班で3月には石巻に、5月には釜石に行ってきた際に見た光景が色々とよみがえってきました。石巻では、原形がどうであったのかわからないような水没した街が広がり、釜石では水こそはけているものの、もともとの住居ががれきの山の様に連なっておりました。震災で多くの命が亡くなり、生き残った方にとっても、故郷の風景は思い出の中だけになってしまっている。そんなことを思うと、涙があふれて歌えなくなってしまいました。
それでも、楽団の粋な選曲に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
音楽には、感情を揺り動かして、時に生きる希望や勇気を与えてくれる力があると思います。それは絵画や文章にも言えるでしょう。
私は医師という仕事をしております。口もうまくないですので、言葉で人に力を与えることはできませんが、患者さんが生きていて良かったと思えるような医療が出来ればと考えています。この域に達することはとても難しく、生きている間には到達できないようには思えますが、日々精進していきたいと思っています。

2020年10月2日(金)

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