新潟市西区五十嵐の内科 長野医院 健康に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
ホーム > 違和感


 違和感
投稿:長野央希
少し前から、芸能人や政治家などの有名人が、自分のもつ持病や新たに罹患した疾患に関して、ツイッターなどのSNSで発表して、世論的に話題になるのを見かけることが増えたような気がします。
有名人の心理としては、自分の闘病生活や病気のことを公表することで、同じ疾患で悩んでいる人を勇気づけたいという思いの場合もあろうと思いますが、一方で、「自分が病気で苦しんでいる」というアピールをすることで、同情などから人気や評判を上げたいという思いの方も少なからず、存在しているように受け取れてなりません。芸能人や政治家の中には自己愛的な性質を持つ方もおられるので、自分が病気であるという不幸をアピールしている自分に酔っている場合もあるのかもしれません。
結果的に自分の人気が上がったり、票が集まれば、儲けものという心理も働いている可能性があります。
勿論、自分の病気を公表すること自体が、勇気のいることであろうと言えますし、闘病を頑張っている姿を応援したいという気持ちもありますが、同時に何か強い違和感を感じてしまう自分もいるのです。
私は、昨年まで中核病院以上の規模の病院で働いてきましたので、当然様々な入院患者さんの診療にあたってきました。
そういう方の中では、ほぼ身寄り便りもないような患者さんもおられます。そういった方も白血病などの難しい病気となり、病気と向き合う生活を強いられています。身寄りがないということは、病気に対する不安や恐怖を分かち合うような相手もいないのです。一人で病気と向き合い、一人で苦しい闘病生活を送ることを余儀なくされている方も少なくないのです。また、急性白血病では無菌治療室での治療を行うケースも多く、そういった場合は家族や友人がいても、なかなか面会が難しい時期もあり、孤独感を強めてしまいやすいのです。こういった、スポットライトを浴びることもなく、淡々と苦しい治療に耐えている多くの人にとって、マスコミで報道されもして、多くの人に応援をされているような有名人はどのように映って見えるでしょうか?
難しい病気でも、治療が順調に行っている時や、治療を乗り越えて寛解や治癒をしたような場合には、同じ病気を公表している有名人は同志や戦友といった感覚でとらえられるかもしれませんが、治療がうまくいっていないときや、副作用で苦しんでいる時、治療の甲斐もなく、病状が悪化していっているようなときには、その有名人は恨めしさの対象になってしまうかもしれないのです。このように複雑な心境で、有名人のブログを見ている人がいるかもしれないことを理解していただければと思います。
有名人の病気告白は、一部社会的な偏見の目で見られてしまっているような病気への啓蒙や理解を深めるという意味では有意義とは思いますが、有名人が売名行為として病気告白をしている場合には、その行為で、不快感を持つかもしれない人が少なからずいることを知ってほしいと思います。

2021年4月2日(金)

<< 貧血
2021.3.29
銃規制 >>
2021.4.9



はじめのページに戻る



長野医院
〒950-2101 新潟県新潟市西区五十嵐1-6448
025-260-5921

Copyright (c) Nagano Clinic All Rights Reserved.