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 マインドコントロール
投稿:長野央希
福岡で5歳の子供を餓死させたということで、母親が逮捕されるという事件がありましたが、報道によれば、母親のいわゆる「ママ友」による恐怖支配からのマインドコントロールが事件の背景にある模様です。詳細は分かりませんので、無責任な批判は避けますが、亡くなった子供は本当に可哀そうでなりません。しばしば、犯罪の背景にこういった恐怖に基づくようなマインドコントロールが潜んでいるケースが認められます。洗脳されやすい性格の人もいれば、長期間にわたる恐怖や疲弊から洗脳を受けてしまうケースと様々ありましょう。
ただ、どの場合も、胸の悪くなるようなことや、大変後味が悪いことが多いような印象があります。
今回は、どうも、その「ママ友」による詐欺目的であるように見受けられますが、このように犯罪傾向の強い犯人によるマインドコントロールは、ある意味わかりやすい犯罪の構図と言えるかもしれません。
宗教(特に新興宗教の一部)によるマインドコントロール、洗脳も大きな問題に発展することがあります。教祖が、いわゆる詐欺師である場合には、当然、このような洗脳によって信者が犯罪に加担させられてしまう結果になります。一方で、教祖が、そういった犯罪傾向がなく、むしろ純粋に正義を貫くような「高潔な」精神の持ち主の場合も、決して安心とは言えないように見受けられます。というのも、教祖にとっての正義が、たとえどんなに立派な正義でも、社会通念上受け入れがたい、あるいはすぐには受け入れられないような場合にでも、教祖がそれを押し通そうとして、信者を突き動かせば、大きなトラブルにつながってしまうからです。教祖が純粋に世直しをしようとして、強引に行動を起こせば、その宗教団体と社会では大きな軋轢が生まれ、結果的に、犯罪行為が生じてしまいます。ただし、その教祖(あるいはリーダー)に同調する勢力が、極めて多数になれば、それは革命に発展し、その勢力こそがその国家や社会のリーダーに逆転してしまうでしょうが。ナチスのヒトラーが好例かもしれません。
マインドコントロールは使い方によっては、非常に有用です。自分自身が自信をもって行動するうえでは、自分自身にマインドコントロールをかけるようなことが必要になります。「自分なら絶対に出来る」という自己暗示のようなものです。
しかし、使い方を悪用すれば、痛ましい事件は今後も後を絶たないでしょう。そして、こういった洗脳は他人ごとではないことを理解する必要があります。自分も、その被害者になるかもしれないし、逆に加害者になるかもしれないのです。インターネットなどの媒体で、妙な言説が垂れ流され、その影響下で、他者や他団体を攻撃して傷つけるような状況も含まれます。
それを防ぐためにも、あふれかえる情報が、正しいのものなのかを自身で判断し、取捨選択する必要があります。また、その情報源となっている人が表に出ているのであれば、その人そのものが信頼に足る人なのかを見極める眼力を養う必要があろうと思います。もっとも大事なことは、そういった情報に安易に流されず、他力本願な面を極力少なくして、他者への依存度を減らすことが必要なのではないかと思われます。


2021年3月8日(月)

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