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 地震の痕
投稿:長野央希
2/13の23時過ぎに福島沖を震源とするマグニチュード7.4の地震がありました。新潟県内でも、震度4程度の比較的長い揺れを感じる地震でした。
福島や宮城の方々は、10年前の震災の時の記憶がよぎったのではないかと思われます。不幸中の幸いで、今回はさほどの津波が起きずに、水難事故は起きてはいませんでしたが、それでも地震そのものにより100人強の人がケガをされているとのことです。報道で見る限りでは土砂で道路が完全に遮断されているような光景も見受けられましたし、東北新幹線は運行再開に10日程度かかる可能性があるとのことです。
私は、東日本大震災の際に3/13〜15まで赤十字の救護班で、宮城県の石巻に行ってきました。この時期は、ひっきりなしに余震があり、揺れに慣れてしまったのか、震度4程度では、さほど驚かなくなってしまった記憶があります。避難所に避難している人たちの中には、多数の子供もおりましたが、彼らも避難所のグラウンドでサッカーなどに興じていても、頻回な余震を気にすることもなく、遊びを続けていたのが強く印象に残っております。あの時の震災は地震そのものによる被害よりも、津波での水による被害が甚大でした。私が3/13に石巻に行った際には、街中が水浸しで、もともとの市内の風景を知らない人からすれば、町全体が貯水池なんだろうかと思うほどでした。
そういう意味でも、今回の夜間の地震で、津波が来なかったことは、本当に良かったと思えます。10年前は昼に地震がありました。同じような地震が夜間に起き、しかも同じ規模の津波が夜間に起きれば、当然非難する人たちの移動には大きな障害が生じることは明らかであり、その被害も更に大きなものになることは想像に難くありません。
やはり、天災には勝てないことを痛感しつつも、冷静に事後処理にあたることが重要であろうと思います。そして、何よりも重要なことは、無責任なデマのような情報を流さない、あるいはデマを容易に信じてしまわないように注意することだと思います。コロナ禍でも浮き彫りになっておりますが、ネットでのくだらない偽情報や、まことしやかな噂でも、何の根拠もないようなでたらめ情報が無責任に垂れ流されてしまうのが現代社会です。また、匿名性を利用して、非常に心無い内容を発信しているケースも少なくありません。天災の後には、必ずと言っていいほど、こういった類の悪質なデマが流されます。こういった情報で右往左往しない冷静さを持つことも極めて重要だと言えます。
自然災害の痕は、何も我々の生活への物理的な破壊にとどまらず、精神的な部分での破壊としても色濃く残ります。厄災の痕は、社会全体が協力し合わなければ、埋められないと思います。そのためにも、人々の間に不信の念が満ちてしまうことがないようにする必要があると思います。

本日からと東北は荒天となるようですので、地盤が緩み、更に土砂災害などが起きやすくなると思われます。くれぐれもご注意いただきたいと思います。

2021年2月15日(月)

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