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 明けましておめでとうございます
投稿:長野央希
新年明けましておめでとうございます。今年も何卒宜しくお願い致します。

2020年という年は、多くの意味で異例尽くしの一年でした。新型コロナウイルスに翻弄された一年と言っても過言ではないと言えます。オリンピックが延期というのも前代未聞のことでした。 
戦争やイデオロギーの問題で、オリンピック参加をボイコットしたりということはありましたので、感染症が戦争に匹敵するほどの大事件として改めて認識させられた一年でもありました。
感染症を起こす細菌やウイルスと人類との戦いは、人類が出現したと同時に始まっておりますので、果てしのない戦いと言えます。そして、医学がどれほど進歩しても、この感染症との戦いに勝ち切ることはできないのではないかと思われます。従って、時には感染症病原微生物と、どのように共存するかを考える必要もあると言えます。
年末から、新型コロナウイルスの変異の話題がかまびすしくなっておりますが、そもそもウイルスの立場では、人類が滅亡するような事態になっては、自分たちも生きられないので、何とか人類には生き続けてもらう必要があるのです。ですから、変異することで、場合によっては弱毒化して、人間と平和裏に共存するという戦略をとっていく可能性も高いのです。ですから、変異ということで、いたずらに、恐怖を抱いたり、恐怖をあおることは慎まねばなりません。
また、この感染症との戦いというのは人類と病原微生物との戦いです。今回であれば、新型コロナウイルスとの戦いであって、人類同士の戦いではありません。にもかかわらず、昨年は人間の醜い側面も垣間見なければならない事態となっておりました。コロナ診療にあたる医療者や感染者に対して、時に偏見を、時に差別的な見方をすることで、敵視する人が少なからずおられました。このように人間同士がいがみ合って、闘うような事態は、完全に時間と労力の無駄であります。このような無駄をすることで、本来のウイルスとの戦いの前に、多くのことを消耗させてしまっている愚行と言ってもいいのではないでしょうか?
コロナウイルス自体は、毎年風邪を引き起こす代表的なウイルスでもありますので、誰がどこで感染をしても何ら不思議ではありません。人間であれば、平等に感染する機会があります。新型ということで、分からないことが多すぎて、不安から恐怖につながり、恐怖が差別や偏見を助長させるのは、理解できますが、そこで冷静になる必要があると思います。改めて、現在我々が置かれている状況を見つめなおす必要があります。我々が闘うべき相手はウイルスであって、人間ではないという事実を再確認していただきたいと思います。ワクチンや抗ウイルス薬の開発なども闘うためのツールでありますし、感染の予防のためにするべきしっかりとした手洗いを習熟することも重要ですし、ウイルスに関しての知識を深めて、いたずらな不安を抱かないようにすることも大切です。また、常に自分もウイルスの保菌者かもしれないと考えて行動することも必要かもしれません。ウイルスから自分を守るだけでなく、相手も守るという考え方が極めて大切なことのように思えます。そのためにマスクを着用することも相手を思いやるという意味でとても大切な行為であると思います。
1919年のスペイン風邪の事例を参考にすれば、今回のウイルス感染の流行は波はあると言え、二年程度は持続すると考えなければならないと思います。ですから、最低でも、後一年はウイルスとの戦いは続くと見なければならないでしょう。その中で、ウイルスと徹底抗戦するのか、平和的共存を図ろうとするのかは、今後の状況を見ていく必要がありますが、恐らく季節性インフルエンザとの付き合いと同様に、どのようにしてウイルスと共存するかを考えるべき時期が来ると思います。
2021年という年が、ウイルスとの抗争の終結だけでなく、人間同士に出来た溝を埋める一年になってほしいと切に願います。

2021年1月2日(土)

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