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 違和感
投稿:長野央希
米国大統領選挙が終わりましたが、トランプ氏が選挙に不正があったと主張しており、裁判を起こそうとしたりと、未だに悶着が続いております。
選挙に不正があったのかどうかは、現在のところ検証しているところでしょうから、その結果を待つ必要はあろうと思います。しかし、これまでの経緯を見ていると、選挙で不正があったという結果であれば、鬼の首を取ったように自分たちの勝利を高らかに謳い上げるのでしょうし、不正がなかったという結果でも、自分たちの敵対勢力によって、真実が捻じ曲げられているという論調で、自分たちの敗北を認めようとはしないような気がしてなりません。トランプ支持者の中には、コロナ問題のみを見ても、あれだけの死者が出ている現実を見ているのか、見ていないのか分かりませんが、「コロナ騒動自体がマスコミの作り上げたフェイクニュース」ととらえている人がいるようです。要は、トランプ氏もその支持者(の一部)も現実云々よりも、自分の信じたいことが真実であるという姿勢のように見受けられます。
この態度から、何となくカルト教団の思想統制に近いような印象を受けてしまいます。カルト教団でしばしばみられるのが、自分たちは正義を貫き、自分たち以外は悪の組織で、正義たる自分たちを迫害するという、二元論的構図に持ち込む姿勢です。敵対勢力による攻撃を喧伝することで、内部の信者に恐怖心と、自分たちが悲劇のヒーローのような自己陶酔感を植え付けて、洗脳しやすくなるのかもしれませんし、結果的に教団の信者の結束を強めているように見えます。彼らには自分たちの信仰が絶対であり、それ以外の現実は受け入れられないものなのでしょう。
かつて、ユリウス・カエサルが言っていたように「人は見たい現実しか見ない」という内容の通り、多くの人は数多ある現実の事象の内で、見たいもののみを取捨選択していると言えますし、そうでないと現実の海でおぼれてしまうのでしょう。ここに、ある種の信仰や信念がからむと、都合の悪い現実は、現実として認識することを拒否してしまうことになるのかもしれません。
かつて存在していた人民寺院という教団は、教祖がパラノイアのような気質であった模様で、最終的には被害妄想的に教団でとして集団自決を図るという結末に至りました。状況は大きく違うとはいえ、何か今のトランプ氏とその一派には類似するような面を感じ、強い違和感を覚えてしまうのです。

2020年12月8日(火)

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