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 反グローバル化社会
投稿:長野央希
アゼルバイジャンとアルメニアの間で、領土問題を発端として戦火を交え、ようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、ウクライナ問題と併せて、最近になり、領土的な野心を隠さない国が増えつつある印象を持っております。冷戦中、冷戦後は、宗教的問題やイデオロギーを前面にした戦いが主体でしたが(その背景には領土的な野心があったとは思いますが)、少し、流れが変わってきているのかもしれません。
トランプ大統領が「アメリカファースト」を謳うようになって、世界各国がそれに倣い、自国ファーストの姿勢に変わってきているようにも見えます。
第二次大戦後は、それまでの帝国主義を反省してか、帝国主義を貫くことに疲弊したからなのか、自国の利益を追求し続けるというスタンスが影をひそめるようにはなっていました。ただし、元来が自国の利益を求めるのは当然のことであり、冷戦後の世界は本音と建前の、建前を押し出して本音をより隠すような時代であったのではないかと思います。そして、世界平和を謳い、世界は一つという考えで、グローバル化が進んでいきました。グローバル化によって、過剰な実力主義などの面で、それまで以上に格差が生じ、結果的にそれまでの階級がなし崩し的に消滅し、様々な矛盾が生じ、多くの不満を抱く階層が増えたと言えます。そういった不満を抱く人たちからすれば、グローバル社会ではなく、自国の利益、自国民の利益、従来の階級への返り咲きを求めるようになっていくのでしょう。そんなタイミングで支持を集めたのがトランプ氏であり、英国のEU離脱を強く主張したジョンソン氏であり、あるいはフランスのルペン氏などであったといえるのかもしれません。つまるところ、世界的な規模でグローバルという潮流に疲れたタイミングで、反グローバリズムを推し進める政治指導者が目立つようになってきているといえるように思われます。
この流れは、第二次大戦後の世界的な流れへの反動であり、そう易々とは、止められないのではないかと思われます。恐らく、仮にバイデン次期大統領となっても、基本的には国民感情からして、トランプ時代ほど前面には押し出さないかもしれませんが、「アメリカファースト」のスタンスは大きく変わらないで行く気がしてなりません。つまり、今後自国の利益を優先する姿勢が強まれば、日米安保の履行よりも、米国の都合を優先するわけであり、仮に隣国が日本に攻撃をしかけたとしても、その時の米国の置かれた状況によっては日本を守ることがないという可能性も否定はできない気がします。時代の大きなうねりの中で、自国は自国を守る必要性が高くなっていく時代を迎えている(当たり前なことなのでしょうが)のではないかと思います。日本の平和憲法の素晴らしさは言うまでもないのですが、わが国を害する敵に対して、どう立ち向かうのかという問題を改憲も含めて、しっかり考えないといけない時期に差し掛かっているのではないかと考えます。


2020年12月4日(金)

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