情報の取捨選択 |
投稿:長野央希 |
現代は情報化社会と言えます。出所のしっかりした物から、出所も怪しげな物まで、多種多様な情報であふれかえっております。 医療のレベルでは、ランセットなどの高名な世界的医学誌を情報源とするものは、現時点では最も信頼に足る情報とされております。それでも、これまでの歴史から、高名な医学雑誌の論文も、後世になり誤りであったことが判明する例もあり、あくまで現段階で最も信頼できるという前提にはなろうかと思います。 ましてや、出所の怪しげな情報に至ってはどうでしょうか?勿論、正しいことを言っている可能性もある反面、全くの出鱈目であったり、その人の希望的な憶測であったり、あるいは他人をだますような詐欺まがいのものである可能性もはらんでいると言えます。 また、かつてユリウス・カエサルが「人間は自分の見たいことだけ見る」というような趣旨のことを述べておりますが、正に言い得て妙といわざるを得ず、様々な情報の中で、自分が信じたい内容のみ取り上げて信じてしまう傾向があるように見えます。さらに、人間はひとたび信じた内容が絶対正しいと確信してしまうと、矯正が難しく、加えて、自分の信念や思想を、恐ろしい自信をもって、他人に発信し、時に押し付けてしまうことも少なからずあります。他人から、その信念の矛盾など指摘されると、相手を徹底的に攻撃してしまうような場合もあります。ここまでくると、一神教の宗教のようであり、自分と異なる思想は異端として、排斥するような動きにつながってしまいます。(どこかの国の大統領にもみられる傾向ですでね) 根拠のないような情報を、その「信者」が、その人からすれば善意で拡散し、世に広まっていく。善意で行っていることが、結果としては社会に害を広げる恐れがあるのです。 殊に医療や災害での無責任で根拠のないデマは極めて有害といわざるを得ません。 情報過多といえる現代では、我々は益々もって冷静に情報の取捨選択をしなくてはならない時代に生きていることを自覚しなくてはならないのだと思います。 |
2020年7月15日(水) |
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