今できること |
投稿:長野央希 |
私の医院の近くにある高齢者介護施設で、30人という規模のクラスターが発生しております。新潟県内では最大、全国的に見ても、大規模な部類に入るであろうと思われます。 30人の感染者の方々が、重症化していかないことを切に願っております。 同時に、心配なのが、この施設や施設職員、入所者への差別や風評被害です。今後、「誰がウイルスを持ち込んだのか」といったような『戦犯』探しのような動きをしたりする人が出てくる懸念があります。陽性者の追跡調査をするのは、保健所の役割であり、我々一般市民がやるべきことではありません。ましてや、それをもとにネットに書き込んだり、非難・冒涜するような行為は厳に慎まなければならないと思います。 そもそも、そういったことに労力を費やすことは時間の無駄であり、誰にとっても何ら利益をもたらしません。 人を敵視したりすることで、感染はいっそう蔓延してしまうのではないかと恐れます。 今できることは何かをよく考えてください。恐怖や不安で、人間不信に陥り、人を陥れるようなことをするべきではないのです。 まず、わが身を守ること、そして、他人を守ることを考えてください。そうすれば、自ずとやるべきことが見えてきます。 自分を守るには、感染予防の基本中の基本である手洗いに尽きます。それも、おざなりなものではなく、しっかりとした手洗いです。そして、室内の換気をこまめに行い、乾燥予防のための加湿に配慮することです。 そして、相手を守ることは、マスクを着用することと言えます。 もはや、無症候性や軽症の陽性者が多いことを考えると、常に自分自身も新型コロナの保菌者である可能性を考えてふるまう必要があります。自分が無自覚に周囲に感染を広めてしまっているかもしれないと考えることが重要です。その結果、どうしたら、自分が相手を守れるかを考え、自分の唾液などで他人を汚染させないためにマスクを着用しようと行動することです。 米国では、政治信念の表明のような形で、マスクを拒むといった愚行が繰り返されました。結果、感染は収拾がつかず、28万人を超える死者を出しているような惨状となっています。マスクは自分を守るというよりは、相手を守るというエチケットの一環なのです。 相手を非難している時間があれば、相手を守り、結果的に自分も守るということに時間を費やしてください。それが、感染の蔓延を少しでも予防することにつながっていきます。 綺麗ごとではなく、人とうまく共存しようとする気持ちが、いま最も必要なことなのだと思います。 そして、冷静に事実を見極め、過度に恐怖を感じるのではなく、恐れるべきことを適切に恐れ、極力通常の生活を維持することが重要と考えます。 どうか、冷静に!! |
2020年11月18日(水) |
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