クマとの共存 |
投稿:長野央希 |
私は、週一回、仕事の都合で魚沼に行っております。 昨年は、魚沼、南魚沼地域とも頻回にクマの目撃情報に接しておりました。私が、当時住んでいたところから、徒歩数分圏内で人が襲われ重傷を負うという事故があり、やはり別の徒歩数分圏内で、クマが射殺されましたので、相当身近な場所にクマが出没していたと言えます。 そして、今年もクマの出没が頻回となっております。昨日は、私のジョギングコースの一つであった場所からすぐそばの中学校のグラウンドでクマが目撃され、町中に放送が流れていました。 一昨年は山で、クマのエサとなるドングリやブナなどが大豊作だったそうで、それによりクマの個体数が急増したものの、昨年と今年が、クマのエサになる木の実が大凶作で、エサ不足が深刻となり、結果的にクマが山を下りざるを得ない状況なのだろうと思われます。 以前聞いた話では、強いクマは山の上の方に住み、弱いものがエサがないと、下山してくるのだそうですが、弱いクマと言え、腕力では人間が到底かなうものではありません。ただし、クマは基本的に人間を恐れています。私は山歩きが好きなので、よく一人でぶらぶら登山をしていますが、しばしんばクマの糞が落ちているのは見かけるものの、実際にクマに遭遇したことはありません。北海道で山歩きしている時に、双眼鏡でクマを視認したことがありますが、幸いに至近距離でクマを見たことはないのです。というのも、クマは人間の気配を感じると、逃げていくことが多いからだろうと思います。恐れている人間に、不意に遭遇した時に、クマはパニックとなり、自衛のような感覚で、人間を襲ってしまうと考えられます。ここで、人間を襲って、勝ったということが記憶されると、その後は人を襲い続ける可能性はありますが、基本的に初めから人間を襲ってやろうとか、食べてやろうという認識の熊は極めて少ないはずです。 昔は、里山が整備され、平野部でクマと人間と接触する機会は限られていたものが、人間の住む範囲が拡大するとともに、クマと直接対峙する機会が増えて、社会問題化してしまっているのでしょう。 魚沼の山の方に住んでいる人は、クマがいることが自然なため、目撃しても通報しないようですので、実際の熊との遭遇事例は、相当数に上ることが想定されます。 クマと会話できれば、山に帰るように説得できるのになどと、夢のようなことを考えてしまいますが、実際のところ、どうすればクマやイノシシなど野生動物と共存できるのかを真剣に考えなければならない時代なのだと思います。人は全生物の支配者ではなく、自然の一員であるという謙虚な気持ちをもって、人間にとっても野生動物にとっても穏便な解決策を講じていきたいものです。 |
2020年10月30日(金) |
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