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 音楽の力
投稿:長野央希
私は音楽が好きで、色々と聴いております。もともとはクラシックでモーツァルトやバロック音楽を好んで聴いておりました。その後、クラシックにメロディーラインが近いこともあってか、北欧系や独系のHR/HMを聞くようになりました。邦楽では鬼束ちひろさんをよく聴いています。
鬼束さんんは自分の弱さとか、負の面も含めてさらけ出して曲作りをされているように思えます。自分の弱さを表に出すということはとても勇気のいることだろうと思います。その勇気が曲に力を与えているのではないかと考えたりもします。時には、歌詞の意味がとらえようのないこともありますし、儚い内容なのに、不思議な圧倒されるような力を感じてしまいます。
仕事がつらい時など、酒を飲みながら、鬼束さんの曲を聴いていると、ぼろぼろ涙が出てくるのですが、その後大変すっきりして、翌日には辛いことなどないかのように働けているような気がします。
音楽の力という意味では思い出深いことがありました。2011年の晩秋頃だったかと思いますが、ワルシャワかチェコかの交響楽団の演奏会を聴きに行きました。予定の演奏も素晴らしかったのですが、アンコールでは『故郷』を演奏してくれました。その際に指揮者が観客に向かい、歌うように合図をしてこられました。
その年は、東日本大震災の起きた年でもあり、故郷を歌いながら、日赤の救護班で3月には石巻に、5月には釜石に行ってきた際に見た光景が色々とよみがえってきました。石巻では、原形がどうであったのかわからないような水没した街が広がり、釜石では水こそはけているものの、もともとの住居ががれきの山の様に連なっておりました。震災で多くの命が亡くなり、生き残った方にとっても、故郷の風景は思い出の中だけになってしまっている。そんなことを思うと、涙があふれて歌えなくなってしまいました。
それでも、楽団の粋な選曲に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
音楽には、感情を揺り動かして、時に生きる希望や勇気を与えてくれる力があると思います。それは絵画や文章にも言えるでしょう。
私は医師という仕事をしております。口もうまくないですので、言葉で人に力を与えることはできませんが、患者さんが生きていて良かったと思えるような医療が出来ればと考えています。この域に達することはとても難しく、生きている間には到達できないようには思えますが、日々精進していきたいと思っています。

2020年10月2日(金)

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