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 北海道時代
投稿:長野央希
私は、地域医療や災害医療に興味があったため、医者5年目で赤十字病院に入職しました。地域派遣で、北海道の南部にある赤十字病院に勤めることになりました。そこは医療崩壊に片足を突っ込んでいるような病院で、医師の確保に汲々としている一方で、その地域に医療機関が少ないため、患者さんは多いという状況でした。入院担当患者数も常に30人近くおり、重症患者さんが数名いれば、5日連続で深夜に病院から呼び出され、徹夜のような状態が続いたりすることもありました。救急では、内地では関与しないような患者さんの診療に当たったりしました。馬にけられた馬外傷やクマに殴られた熊外傷、猟銃の暴発で顔面に重傷を負った人、自分で釣ったイカの生食でアニサキスが大量に寄生したケース(結局内視鏡で除去したアニサキスは13匹)等々。
そこで働いたことで、多くの経験をさせていただき、相当、肝がすわった気がします。
また、夜に赤ん坊が虐待でも受けてているんではないかというような声が聞こえたので、行ってみると、キタキツネと猫がけんかしていたり、夜に車を走らせていると、その前をエゾシカが3頭走り去っていったり、野良猫の集団にエサをねだられて、追いかけまわされたりという、貴重な経験もしました。
 また、とにかく食べ物は何でもおいしくて、近く海辺にあるお店でツブ貝を殻ごと買って、どんぶり飯で食べたりしましたし、野菜も何でも夢中になって食べるようなレベルでした。もともと苦手だった羊肉も、そこではまるで臭みもなく、こんなにうまいものなのかと食べたことが思い出されます。病院の医局にお歳暮でエゾシカの生ハムが届いたことがありましたが、他の医局員は気持ち悪がって食べない方もおられる一方で、自分は美味しくいただいておりました。
自分のいたところは海沿いで、北海道の南部と行くこともあり、冬場も雪は少なく、気温もマイナス10度まで行くことは稀な地域でしたので、なかなか住みやすかったと言えます。ただ、夏場が夜になると20℃を切るため、新潟のフェーン現象や東京、神奈川の連日の熱帯夜を経験してきたものとしては、とにかく夏の涼しさが堪えました。夏の間中、夏風邪のような状態で体調がすぐれないことが多かったです。
そこでの生活は、自分としては楽しかったですが、いかんせん仕事がハードで、この生活では身がもたないだろうと思える状態であることと、夏場の低温なことがネックとなり、翌年には埼玉県内の赤十字病院に異動することとなりました。
大変なことも多々ありましたが、今でも良い思い出になっております。


2020年7月11日(土)

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