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 ライノウイルス
投稿:長野 央希
この数週間、当院の発熱外来でPCR検査を行うと、その半数がライノ/エンテロウイルスです。COVID-19やインフルエンザが出ると、現状非常に珍しいなと感じてしまう状況です。その他では、季節性コロナやヒトメタニューモウイルス、RSウイルスが続くという感じです。時々、マイコプラズマが出ますが、百日咳はほぼ最近見かけなくなっております。
院内PCRを始めたのが昨年からのため、これまでは風邪ウイルスがどのような比率で感染していたのか比較は難しいですが、昨年よりはライノウイルスの比率が多いような印象は受けております。

ライノウイルスというのは、ピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属するRNAウイルスです。エンテロウイルス属には、他に手足口病やヘルパンギーナ、心筋炎の遠因となることで知られるコクサッキーウイルスなどがあります。(ピコルナウイルス科にはポリオやA型肝炎ウイルスが含まれます。)
一般的には聞きなれないウイルスではありますが、かぜ症候群の大きな一翼を担うウイルスといえます。要は、風邪の代表的ウイルスといってもいいでしょう。教科書的には、潜伏期間は2〜4日、鼻閉、鼻汁、咽頭痛等のいわゆる風邪症状を引き起こしますが、時に喘息の持病があると、喘息の急性増悪につながることになりえます。多くは接触感染もしくは飛沫感染が感染経路となります。
アルコール消毒が効きにくく、石鹸による手洗い、うがい、換気が感染予防として重要です。残念ながら、抗ウイルス薬やワクチンは存在しないため、感染予防を心掛け、感染した場合は対症療法ということにはなります。

実のところ、私も昨年の11月と今年の3月にライノウイルスに感染しております。(3月は季節性コロナ(新型コロナではなく)も同時感染しておりましたが)個人的経験からすると、悪寒がするのに、熱は出ず、鼻汁が多く、咽頭のかさかさとした違和感から咳が誘発され、一度出ると、しばらく咳が止まらないという症状で、何よりもとにかく倦怠感が強く、そのだるさが二週間ほど持続しました。倦怠感に関しては、自分の気合が足りないのではないかと、自分に鞭打って、3kmの散歩を断行してみると、歩いている最中は、若干気分がよくなるのですが、散歩から帰ると、より一層だるくなるということの繰り返しでした。
3月の時は、季節性コロナとの合併ではありましたが、特に症状が大きく変化した感はありませんでした。感染翌週にPCR再検をしてみると、季節性コロナは陰性化しているものの、ライノウイルスは陽性が持続し、その翌週にようやく陰性化しておりました。

今、診療に当たっていると、ライノウイルス感染患者さんの症状は、人によっては、一過性に高熱が出るものの、すぐに熱は下がり、しかし、そこから咽頭痛や咳嗽が悪化したり、やはりとにかく倦怠感が強いという特徴があるように見受けられます。
基本的に春、秋がライノウイルスの流行期といわれております。
例年通りで行けば、6月中下旬頃からCOVID-19の夏の流行が始まるはずではあるので、その段階まで流行が持続するのかどうか、経過を見守る必要があります。

いずれにしろ、これまで通り、感染予防としての手洗い、うがい、人ごみに行く場合のマスク着用が感染予防として重要なのは変わりません。
様々な感染症があふれておりますので、個人個人で感染予防にご留意いただきたいと思います。




2026年5月28日(木)

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