日本人のと特質 |
投稿:長野央希 |
私も色々な病院で働いてきました。東京、北海道、埼玉、新潟と様々な経験をさせていただきました。 地域によっての特徴の差はありますが、一般的に言って、多くの肩書を持つ医者は、その人のレベルがどうあれ、一目置かれる傾向があります。この傾向は都市部でかつ年齢が下がると弱まり、地方の高齢者になると、この傾向が強まる印象があります。 同じ医療を行っていても、部長だの院長だの博士だの肩書があったり、医師の年齢が上になれば、患者さんからより一層有難がられることがあります。 そういう意味で、日本人(どこの国でもそうかもしれませんが)は権威者に弱いという特徴があるように思われます。権威者が言うことは絶対の様に感じてしまう人も少なくないと言えましょう。医師の中でも、そういった面がしばしば見られます。勤勉な意思は、多くの論文を読みます。より権威のある論文雑誌や権威のある著者の言うことを、不可侵のものの如く有難がる人がいます。その道の大家の言うことなので、正しいことが多いのは間違いないとは思いますが、こういった権威者信仰の様な姿勢はいかがなものなのだろうと考えてしまいます。かつて、ガリレオ・ガリレイは医師を志していましたが、来る日も来る日もアリストテレスやガレノスの著書を盲目的に読まされることにうんざりして、医師の道を諦めました。権威者の著述をやみくもに覚えることは、いわゆる学校秀才にとっては、最も得意とするところではありますが、ガリレオの時代の医学の姿勢とあまり大差がないように思えてしまいます。 また、日本人はブランドに弱いとも言えます。これも、権威に弱いのと通じる部分があると思われます。ブランドと言いうだけで、その縫製がどうか、丈夫さがどうか、デザインがどうなのかなど、あまりこだわらずに、高額を払っている人たちがいます。 有事においては、上の者が言うことに、盲目的に従属し、猪突猛進にことをすすめることが大切な場合もありますし、こういった姿勢が日本の高度経済を推し進める原動力になってきたとも言えますが、平時には、色々な物事を自分の五感で感じ、時には疑問を呈することも重要なのではないかと思う今日この頃です。 |
2020年9月2日(水) |
<< 新型コロナ 2020.8.31 |
猛暑の中で >> 2020.9.4 |
はじめのページに戻る |