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 新型コロナ
投稿:長野央希
現在都内で感染症学会が行われております。
昨年、一昨年と勤務医としての仕事の都合もあり、参加できておらず、今回は是非参加したいと考えておりましたが、現在の社会的状況を鑑み、残念ながら参加を見合わせております。
その学会で、現在が第二波の只中であること、感染者数はピークに達したであろうとの見解が示されました。

新型コロナに関連したことで、自分の関心事などを記載します。
ただし、あくまで個人的な見解で、確たるエビデンスもないことだったりしますので、話半分で読んでいただければと存じます。
(1)重症化予防に関しての、BCG説やワルファリン感受性説は、とても興味深い説であろうと考えております。欧米と日本などのアジアでの重症者及び死亡者の率の差には、やはりBCGによる免疫への影響があるのではないか。現状はこれを裏付けるほどのエビデンスは得られていないようですが、疫学的には非常に面白いように思われます。また、重症化の要因でDICや廃血栓塞栓症という凝固異常がある中で、ワルファリン感受性説にも、強く関心を抱いております。
(2)日本の各都道府県別の感染者数、死亡者数を診ていると、必ずしも感染者と志望者が比例関係にはないことに気付きます。
新潟県では、感染者数は漸増してはいますが、幸いに志望者は0です。一方で、隣県の富山や石川では志望者数が20〜30人という状況で、この二県と、そう大差のない感染者数の静岡や広島では死者が数名です。
この差は何を意味しているのか?
ウイルス側の問題なのか?宿主の問題なのか?(県民での糖尿病患者や肺気腫患者、悪性疾患患者の割合が高いなど。肺気腫にまではなっていないが喫煙率が高いなど)もしくは、医療体制が整備されていないために、中等症から重症ひいては死亡に至ることを防げていないのか?
あるいは、コロナ感染であることによって、周囲の人たちから白眼視されることを恐れて、コロナの検査を行うことを渋っているうちに、重症化していくというような地域性に根差す問題があったりするのか?

現在は第二波ですが、20世紀初頭のスペイン風邪の事例からすれば、二年間は新型コロナの流行が持続し、第3,4・・波が来ることを想定しないといけないでしょう。今後の流行に際して、治療法やワクチンの開発も重要ですが、疫学的な検証により、地域別の対策を講じていくことも重要であると考えます。




2020年8月21日(金)

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