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 終戦記念日
投稿:長野央希
本日は終戦記念日です。
8月になると、必ず先の大戦である亜細亜・太平洋戦争が取り上げられるようになります。75年経ち、戦争を知っている世代が少しづつ減ってきてしまっていますが、決して風化させてはいけない記憶であることは間違いありません。亜細亜・太平洋戦争における死者数は軍人・一般人をあわせると310万人にも上るという信じがたい数です。
軍人、軍属、準軍属の死者数は230万人と言われておりますが、そのうちの半数以上が餓死や病死であることも忘れてはならないと思います。近代以降の正規軍で、これほどの餓死者を出したのも例がなく、戦闘以前に大きな問題を抱えていたといわざるを得ない状況です。いくら、日本が資源や物資に乏しい国とはいえ、帝国陸海軍も政府もいかに兵站や衛生といったものを軽視していたか、その罪は大きいと言わざるを得ません。
自分も医療者として、戦時中の戦場での軍医や衛生兵の方々が味わった幾多の無力感を考えると、言葉が見つからなくなります。
戦争指導部が、いざ戦争は始めたものの、どのように戦争をすすめ、どのように終結させるかと言いうビジョンが無かったことを如実に示していると思われます。
そもそも、何故あのような戦争を行ったのか、戦争を避ける手立てはなかったのか、いざ開戦したのであれば、あれほど悲惨な経過をたどらないような方策はなかったのかといったことに対して、我々は亜細亜・太平洋戦争を正当に総括出来ているようには思えません。
「戦争は悪」です。だからと言って、臭いものに蓋をすればいいという姿勢では、戦争から教訓は得られないのではないでしょうか?
戦争は犯罪であるにも関わらず、残念ながら有史以来、戦争が行われなかった時代は未だなく、恐らく今後も戦争がなくなることはないと思います。
一部の為政者・指導者で戦争を望むものがあれば、そこから必ず戦争の火種が起きてしまうからです。
我々日本人は、世界戦史上でも類を見ないほどの甚大な敗戦を喫した国の国民として、しっかり先の大戦に向き合い、良く見直し、総括をして、
そこから得た教訓をもって、世界中に戦争を抑止する手段などを発信していく必要があるのだと思います。



2020年8月15日(土)

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