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 トルコ南部地震
投稿:長野 央希
トルコ南部を震源地とする地震が発生しました。これにより、トルコとシリアで、多大な被害が出ております。
現段階で1万5000人の死者が出ているという報道もあります。
地震発生から72時間経過しておりますので、残念ながら、現在救出を待っているような方々の中で、更に死者が増加していくと考えざるを得ない局面です。
被災地の中には、なかなか救助隊がたどり着けない様な地域も少なからずあるようですので、死者、行方不明者などの詳細な数を把握すること自体が、非常に難しいものと推察されます。殊に、内戦中のシリアでは、その傾向は更に強いものと思われます。

かつて、災害医療というものに携わりたいと考えていただけに、こういうときに何も出来ない自分が歯がゆく思えてなりません。
何とかして、一人でも多くの人が救出、救命されることを強く願います。何とかして、今、自分が置かれている状況の中で、少しでも役立てるような事が出来るように心がけていきたいと思います。

今回の地震において、トルコにしろ、シリアにしろ、耐震性というものを考慮していないような建物群が、倒壊しているようです。このことで、トルコのエルドアン大統領も責任を問われていますが、専門家の見解では、耐震性において脆弱な家々が、最初の地震で、ダメージを負って、余震で倒壊しているとのことでした。これまでも耐震性を考えるように専門家からも指摘されてきたのに対して、行政が無視してきた経緯も在るようですから、これから政府への追及は厳しいものになるのではないでしょうか。
一方、シリアにおいては、そんな議論の段階ではないかもしれません。
一部報道で、反アサド地域の被災地に、アサド政権軍が攻撃をしたというような話もあります。これは、英国のニュースでしたから、若干アサド政権に対して、ネガティブな報道の可能性はありますが、もし、これが事実としたら、非常に許しがたい行為といわざるを得ません。
私は、歴史的に、シリアという國にとても興味があります。文明発祥の地ともいえそうな地域で有り、古代から様々な文明の入り交じるような地域でありました。常に先進的な地域であったものが、19世紀の帝国主義の時代に、欧州列強のご都合主義によって、彼らの尊厳は踏みにじられてきました。その後、先代のアサド大統領のもとで、植民地からの脱却を経て、今に至っているわけですが、そういった事情から独裁的な政権運営が行われ、それに対して、様々な武装勢力が同盟、反目を繰り返し、大変複雑な国家状態となってしまっています。
 
現在のアサド大統領は、もともと眼科医を志して、英国に留学していたような人でした。そもそも、先代の次男であるため、後継者となるなどとは考えても居なかったものと思われます。それが、兄の事故死によって、急に国の元首となるべく呼び戻された様なわけで、映画の『GOD FATHER』のマイケル・コルレオーネをなんとなく思わせるような感覚です。
映画でもマイケルは、およそマフィアのドンらしくない青年から、ドンらしい男になっていく姿が、よく描かれていると思うのですが、もしかすると、アサド大統領もそんな感じだったのかもしれません。
アサド大統領には、医者の卵であったということから、個人的に何となく親近感を感じていました。少なくとも反アサドである欧米諸国に対して、多少なりとも反感を持っていた気がします。アサドを支持するロシアやイランも信用のおけないのは言うまでも無いのですが・・
しかし、今回被災地に対して攻撃したのが本当だとして、それを命令したのが、アサド大統領であったならば、元医師としてのモラルが既に失われてしまっていると思われて、悲しみと怒りを強く感じてしまいます。
武力のみで人民を統治できないことを、何故多くの為政者が認識しないのかが、本当に疑問に思えてなりません。
被災地の方々、戦地の方々は、今も厳しい寒さの中で、頑張って生き抜こうとしていると思います。本当に、そういった人たちが一刻も早く、幸福を感じられる用になることを切に願います。

2023年2月9日(木)

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