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 酷暑
投稿:長野 央希
7月中旬から、新型コロナウイルス(B.A5型)による第七波の影響で、発熱外来も大変混雑しておりました。
8月の盆前後は、連日40〜50人強の発熱外来を受診される方がおられ、およそ70〜80%が陽性というような状況でしたので、毎日40人前後の感染者が出ているような具合でした。9月に入り、発熱外来受診者数も減少に転じ、陽性者率も50〜60%程度まで低下しておりますので、ようやく第七波もピークを過ぎたのではないかと考えております。勿論、まだ油断は出来ませんが。
そんなわけで、8月はほとんど、日中を院内で診療していた記憶がありません。屋外の発熱外来で一日中、診療に当たっていたような気がします。とにかく30℃台中盤の暑さに加え、アスファルトで焼かれるような熱さから、泣きたくなるようなことも度々ありました。
物置を利用している発熱外来は、締め切っていると、温度計が50℃を振り切っていることもしばしばでしたし、戸を開け放っていても40℃前後という状態でしたから、発熱外来の室内で診療させていただいた患者さんには、大変申し訳なく思っております。(扇風機がどれほど効いていたのか謎です)
本日も、発熱外来の温度計は15時頃は38℃でした。
ここにきて、暑さが緩んできたと思っていたら、先週は台風によるフェーン現象で、今年最高気温をたたき出したりしておりましたし、暑さが戻っているような感じがします。
屋外で働いている時間が長いと、気温もさることながら、湿度が高いと、苦痛もますことを痛感します。
気温はそこそこでも、湿度が異様に高いと、口渇や倦怠感は増強しますし、発汗量も増加します。手袋をしていると、指先に多量の汗がたまり、まるで関節が一つ分増えたかかのように、指が長くなります。汗を吸ったズボンは通常の倍の重量になるほどです。とにかく、消耗の度合いが著しく増すのです。
屋外で労働している方や、運動している方は、くれぐれも熱中症にお気をつけ下さい。
こういった労働環境にあると、熱中症になるような環境下の苦痛を人一倍理解した気になります。
暑さと苦痛で、逃げ出したくなったことも一度や二度ではありませんが、それでも、私の置かれた状況は、閉じ込められている訳でもなく、水分補給もある程度は可能なのです。
それに対して、先週、保育園のバスの中に置き去りにされたお子さんには、バスの外に出る自由も、好きなだけ水分補給をする自由も、すべての自由が奪われてしまっていたのです。その苦痛と、恐怖を考えたとき、涙が出てきました。
こういった保育園の送迎バスに置き去りにされる事件は、年に数回程度は報道を目にします。何でこのような事が起きてしまうのか、あるいは何で繰り返されてしまうのかと、怒りとともに素朴に疑問を持ってしまいます。
子供さんの苦痛を考えたときの親御さんの身をさかれるような悲しみと、怒りと、苦しみは想像を絶するものがあります。

人口の多い東京や大阪で、あまりこういったバスの置き去り事件を耳にしないのは、私が知らないだけなのか、あるいは、地域や市町村のよって保育園の送迎バスの規則・規定が異なっており、都内などは規則が厳しいのかという疑問があります。
人間はミスを犯す生き物ではありますので、どうやったらミスを最小限にとどめられるかと言うシステムを構築し、実行に移せるかが極めて重要であると思います。
とにかく、こんな悲劇は、二度と繰り返されないでほしいと強く願わずには居られません。

2022年9月12日(月)

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