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投稿:長野 央希
子宮頸がんワクチンのご案内通知が郵送されているかと思います。
当院でも、子宮頸がんワクチンの接種が可能ですので、御電話にてご相談下さい。また、新型コロナウイルスの4回目のワクチン接種の案内通知も送られ始めておりますので、ご希望の方はご相談下さい。ただし、4回目は3回目から最低5ヶ月の間隔を明ける必要がありますので、御注意下さい。

現在は、多種多様なワクチンが存在しております。その中でも、子宮頸がんワクチンのように、将来的な発がんを予防するというワクチンは、極めて重要な存在であります。
ウイルスや細菌と癌の関連に関して言えば、子宮頸がんはヒトパピローマウイルスと、ヘリコバクターピロリは胃がんと、B型、C型肝炎ウイルスは肝臓癌とと言った具合です。その他、エイズの場合であれば、HIVウイルス感染の特徴から慢性的な免疫不全を生じ、結果的に様々なウイルス、細菌、原虫の感染を併発し、持続的な感染が、慢性的な臓器の炎症を惹起することで、多様な癌の発生につながっていきます。恐らく、現段階では分かっていないような感染症と癌との関連も、時代が進めば、更に判明していくことが想定されます。
癌は早期で発見できれば、その分治療も容易になりますが、進行癌になれば、やはり治療も複数の治療を組み合わせたりする必要が出てきますし、癌発病の精神的な苦痛も計り知れないものがあります。そういった意味で、ワクチン接種することで、感染を予防し、将来的な発がんを抑制するというのは、極めて理にかなった発想で在ると言えます。
勿論、ワクチン接種に対しては多様な意見があり、ワクチン反対派の方も少なからずおられます。その思想は自由であり、決してワクチンは強制されるべき者ではないと思います。しかし、これまでに人類がワクチンの恩恵をどれだけ受けてきたかという事実も忘れてはならないと思うのです。
エドワード・ジェンナーが天然痘のワクチン(種痘)を考案して以降、それまで歴史的に見ても多くの死者を出してきた天然痘が、20世紀には根絶出来たと言うこと自体、驚異的であると言えます。
今ですら、ワクチンに対しての賛否両論がある現状で、ジェンナーの時代を振り返ると、彼の功績の偉大さが更に浮き彫りになると思いいます。あの当時は、当然ワクチンなどという概念もなく、周囲には多くの迷信で取り巻かれ、人々の偏見や風評被害といったものも尋常でない中で、ジェンナーは自分の信念を貫いたことを見ても、彼は医療界の革命家とも言えるのではないかと思えてきます。そういった意味でも、私はジェンナーに対して尊敬の念を抱いております。信じがたい様な風当たりの強さの中、自分の考えた医療行為をやめないというのはもはや鋼の精神と言わざるを得ないかもしれません。
「百万人と雖も、我行かん」。私も少しでもそうなれるように努力したいと思っています。

2022年6月1日(水)

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