ロシア・ウクライナ戦争 |
投稿:長野 央希 |
ロシアとウクライナとの戦争が依然として続いており、終わりが見いだせない状況となっております。この両国内では新型コロナ感染はどのような状態になっているのだろうかという素朴な疑問があります。古来から、戦争によって、天然痘やペストや梅毒の感染が拡大した例は多々ありますが、今回はどうなのでしょうか?それはともかくとして、両国の国力差を考えた場合、ウクライナ側の耐久力には感嘆せざるを得ません。同時に、ロシアの戦争の進め方に大きな問題があることも間違いないと思われます。 日露戦争の際にも、日本とロシアとの国力差は相当な物であり、世界中からして日本が勝てるとは考えていなかったはずです。ロシアという国は、恐らくその資源や経済力などを背景に、自分たちが軍を派兵すれば、日本は即座に降参するだろうと高をくくっていたに違いありません。結果的に緻密な戦争計画を立てたり、それを正確に実行していこうと言う謙虚な姿勢がかけていたのでしょう。要は、慢心です。一方の、日本は、爪に火をともすような状況で、国家的な破産の危機感を持っていた分、どうやって戦争を進めていくか、心血を注いでいたと思われます。戦争を進めて行くには、まずはどのように戦争を終結させるかのゴールを描く必要があります。漠然としていても、そのゴールに向けて、戦争計画を練っていく必要があると言えます。これは、実は医療にも言えます。医療は患者さんの体内で起きている病気との戦いになりますから、ある意味患者さんの体内での戦争と言えなくもないのです。従って治療を行う場合には、治療のゴールをある程度見定めて、それに向けて治療の計画を練っていく必要があるのです。 もちろん、医療であれ、戦争であれ、様々な不可抗力や不測の事態が起きますので、予定のゴールを修正する必要が出てきたり、計画を練り直す作業の連続となりますが。 話がそれましたが、日露戦争では、満州軍総司令部の大山、児玉元帥は世界の世論をも巻き込んで、ロシアとの戦いを進め、薄氷の勝利を得たと言えます。 一方で、太平洋戦争当時では、大本営としては、戦争のゴールも含めたビジョンというものが、どれほどあったでしょうか?結果的に、無計画に戦線が拡大し、そもそも日本の経済力や資源で戦争が維持できないような状況を作っていき、最終的に信じがたいような大敗を喫します。 戦争自体やってはならないことですが、これほど破れかぶれな戦争は最も下策といわざるを得ないでしょう。 今現在のロシアは、日露戦争の時のような、国力に物を言わせて、押し切ってしまおうという傲慢な姿勢が垣間見えます。 そして、あの当時は帝政ロシアという、皇帝独裁国家で有り、政府や軍の交換は多くが貴族階級で有り、皇帝の機嫌を損ねないようにという保身の意識が強く、国家のためという様な意識は希薄であったかもしれません。 今のロシアでも、政府や軍の上層部はプーチンという独裁者の機嫌を伺い、自身の身の安全を第一にした行動原則で動いている可能性があります。 そういった意味でも、日露戦争当時と今のロシアとが、かぶって見えてしまうのです。 ただ、今もウクライナの国土は戦禍で荒廃していっています。一刻も早く戦争を終結させる必要があります。 ロシアとしても、出口が見えない状況となってきている現状、西側諸国トの妥協点を探りたいという時期に入ってきているかもしれません。 国際社会の外交的センスが問われていると思います。 |
2022年5月10日(火) |
<< 連休中の診療体制に関して 2022.4.21 |
ハチとの攻防 >> 2022.5.17 |
はじめのページに戻る |