3月11日 |
投稿:長野 央希 |
東日本大震災発生から、ちょうど11年が経ちました。 復興も進んでいる一方で、依然として避難生活を余儀なくされている方々も少なからずおられる状況です。震災の残した傷跡の大きさはとてつもない物です。2011年の3/13〜15と震災直後の石巻に災害救護班として訪問した際の記憶は今でも鮮明に残っております。海で漂流していて自衛隊に救助され、病院に搬送された方の、磯の匂いにヘドロの入り交じったような臭気は強烈に思い出されます。震度4クラスの余震がひっきりなしに起きている中で、避難所のグランドにてサッカーに興じる子供達の笑顔に、こちらが救われたりもしました。3/15は雪のちらつく寒い日でしたが、病院前でトリアージをしている時の凍えるような寒さも忘れられません。何よりも、宮城県庁の玄関に避難しているおびただしい被災者の方々の姿、石巻日赤病院のエントランスで避難して疲れ切って寝ている被災者の方々の姿を思い出すにつけ、涙が出そうになります。家や財産や、それどころか肉親までをも一瞬にして失うという、尋常ではない状況を思うと、もはや言葉になりません。 日本はどこに住んでいようと、何らかの天災に見舞われる可能性の高い国ですので、我々が経験してきた様々な天災の記憶は、決して風化させてはならないと強く思います。そして、そういった経験から得る教訓を、今後の災害に備える糧にする必要があるともいます。 震災の被害も大変悲惨な物でありますが、現在のウクライナ情勢も極めて悲惨な状況にあるといわざるを得ません。こちらは完全に人災ですが。 ウクライナ国内の複数の都市や町が、一週間の間、破壊され続けているのです。原発が破壊されるような事態になれば、福島原発をも超えるような未曾有の被害をもたらしかねません。そうなった場合、向こう十年以上、人の住めないような場所がいくつも出来てしまうかもしれません。非軍人への無差別的攻撃を継続しているロシアの行っていることは、完全に戦争犯罪であるといわざるを得ません。ここに来て、津軽海峡にロシアの軍艦が航行するようになっており、日本への挑発といってもいいような行動を取り始めました。 ロシアという国、プーチン大統領が、何か自暴自棄になっているのではないかというくらいに、理解できないような破滅的行動をとっているように思えてなりません。 日露戦争において、日本はロシアの経済力や軍事力に遠く及ばないような状況の中で、薄氷を踏む思いで戦争を行い、勝利いたしました。とりわけ日本海海戦でのバルチック艦隊の壊滅は戦史においても類を見ないような完勝であったと言って良いでしょう。すなわち、小国でも作戦において工夫し、努力を積み重ねれば、大国を撃破できるということです。また、日露戦争では、日本軍はロシア国内でのコミュニストたちを支援することで、ロシア国内の革命運動二手を貸し、そういったことも日露戦争を終わらせる遠因ともなったと思われます。ウクライナもロシアと比べると、極めて弱小でありますが、戦争の作戦遂行によって、あるいは戦闘以外の工夫によって、ロシアを少しずつ不利な情勢に追い込んでいくことも可能なのではないかと思います。 また、今回の件で国連もNATOもまるでイニシアチブをとれていないことから、彼らの信用を落とす結果になっているように思えてなりません。ロシアの今回の暴挙を許せば、遠からず、必ずや自分たちにも毒牙が迫ってくる可能性が高いことを肝に銘じる必要があります。日本も同様です。 現段階で、ロシアを止めなければ、災厄は世界中に拡大すると思います。 今止めなくてはならないのです。 そして、天災は人間の力ではいかんともしがたいのに対して、人災は、人の努力で拡大を予防することも可能と言えます。 ロシア政府以外のロシア国民の良心を信じると共に、戦争を終結させる様々な布石を打っていかねばならないでしょう。 |
2022年3月11日(金) |
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