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 外交的ボイコット
投稿:長野央希
北京開催の冬季オリンピックが間近となり、欧米の幾つかの国々が、ウイグルでの人権侵害を問題視して、外交的ボイコットを行う可能性を示唆しております。
しかし、何故今頃という感が否めません。そもそも、ウイグルでの問題は10年以上に及ぶ問題であったはずですし、殊に習近平体制となってから、民族浄化的政策が拍車をかけ、情勢の悪化に歯止めがきかなくなっていましたから、本来であれば、大分前から、世界各国が問題視して、中国政府に対して、強い姿勢で臨むべきであったはずなのです。
ほんの最近まで、西欧では中国の唱える一帯一路政策に乗っかろうとさえしていました。そういうこともあり、中国との関係を重視しすぎるあまりに、中国政府の機嫌を損ねないように配慮してきたように思われます。その結果が、ウイグルの悲惨な現状を助長してきたように思えてなりません。最近になり、一帯一路が、結局は中国にとってばかり都合が良いようなシステムであることを認識して、一気に中国への熱が冷めたという風にも取れます。そうして、可愛さ余って憎さ百倍という感じで、中国を攻撃することを考え、最も攻撃しやすいのが人権問題であるために、ここぞとばかりにウイグル問題を取り上げているように見えてしまいます。あくまで、外交的なカードの一つでしかないのでしょう。そもそも、白人諸国が植民地政策で、どれだけのひどい人権侵害を行ってきたかという歴史を見れば、彼らの人権的発言が、ときに白々しく見えてしまったり、極めて偽善的に聞こえてしまったりするのも事実です。ただ、かつての自分たちの愚行を反省して、改めようとしている姿勢は評価しなくてはならないとは思いますが。
そんな状況で、オリンピックへの外交的ボイコットというのが、どこまで有効な手立てなのかという疑問があります。確かに、中国という国は体面を気にする国ではありますので、参加国の首脳が、五輪の開閉会式に参加しないとなると、顔に泥を塗られたような気分になるという意味では、一定の効果はあるかもしれませんが、実質的には五輪への選手の派遣自体を中止して、結果的に五輪観戦のための集客が望めないというような状態にならない限り、あるいはスポンサーが軒並み五輪への支援を打ち切るというような経済的なダメージを負わせない限りは、中国にとってはさほどの痛手にはならないのではないかと危惧してしまいます。
日本が北京五輪に対して、どうかかわるかは、今後の政府の指針を注視していく必要がありますが、ウイグル問題を含め、尖閣問題や、南シナ海での問題など、様々な問題に対して、一貫した毅然とした態度をとるべきではあると思います。
一方で、ウイグル人は敬虔なイスラームでありますから、彼らの現在の苦境に対して、同じイスラームの信者たちが本来であれば、立ち上がらなくてはならないはずなのです。こういう状況でこそ、ジハードというものがなされるべきなのではないかと思います。中国に対抗する手立てがないということと、中国とうまく付き合っている方がうまみがあるということから、なかなかイスラームの中で、ウイグルを救おうという大きな動きにはつながっていっていないのが、とても残念に思えてなりません。
こうしてみると、ウイグルという深刻な問題は、結局は外交的な問題の中で、数多くある問題の一つでしかないというとらえ方をされているように見えます。
しかし、中国が行っているのは、ナチスが行ったホロコーストにも匹敵するような所業かもしれないのです。
各国政府が強い働きかけが出来ない状況で、世界の企業がウイグル産の綿花に対して不買運動を行っているのは中国に些少ながらダメージを与えられるでしょうし、そういう地道な努力を続けることで、中国政府に痛みを感じさせる必要があると思います。中国という国は経済的に好調だからこそ、現体制が強く国民に支持されているのであって、もし、経済的に不調に陥れば、国民の政府に対する支持が一気に失われる可能性があります。
また、ウイグルやチベットへの弾圧が高じれば、結局最終的には中国国民全体に対しての言論統制が強まることにつながるでしょうから、中国国民もウイグル問題を対岸の火事ととらえずに、明日は我が身になりえるという危機感を持っておく必要があるはずです。
現在、我々が行えることは、中国政府に対して経済的な圧力をかけることで、少なくともウイグル問題を今のまま続ければ、自分達にとって不利益になると理解させることなのだと思います。
いずれにしても、ウイグルやチベットや、中国国内の少数民族の方々が、少しでも早く、自分たちの自由を謳歌できる時代になることを強く願います。


2021年11月29日(月)

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