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 総選挙
投稿:長野 央希
先週に行われた衆院総選挙は、結果的には自民、公明の与党の勝利という形で終わりました。選挙直前には菅首相から岸田首相への移行があったりと、バタついている状況で、しばしば自民党への批判も強まっている中、ふたを開けたら、野党連合の大敗というような結果でした。
与党に対して様々な不平、不満は渦巻いております。新型コロナ一つとっても、政府は無為無策の様に見えてしまうような瞬間もありました。ただ、確かに、欧米含めた日本以外の世界と比較すると、はるかに感染者数や死者数が少なく済んでいるのは事実であります。この件は、コロナが終息した段階で、検証されるべきことではあります。日本人の手洗い、マスク着用、入浴するなどの生活習慣が関与しているのか、あるいは人種間での感染のしやすさ、重症化しやすさの差があるのか等に関しては、今後冷静な分析がなされる必要はあります。ただ、現段階までを見ると、日本は他の各国と比べて、甚大な感染爆発が起きなかったことについては、もしかすると、政府の方針に一定の評価をするべきなのかもしれないと思われます。
一方で、東日本大震災当時の与党であった民主党、社民党の対応の拙さや、常に後手後手に回る様を見ていると、非常時に国家運営をゆだねられるような頼もしさが感じられなかったことも、今回の野党敗北の一因かもしれません。また、従来は彼ら野党は、素晴らしい政治理念を掲げてきましたが、与党時代に、その思想を実現できなかったことも、信頼を失わせる結果につながったものと思われます。高尚な理念を掲げることは良いのですが、実現不可能ならば、単なる「綺麗事」にすぎないのです。政治はきれいごとを並べるだけでは駄目なのです。ミャンマーのスーチー女史はそれまで人権運動を展開し、ノーベル賞まで受賞しておりますが、いざ政権運営を担う側になると、ロヒンギャの問題など自己の人権思想を国家経営に十分活かしきれませんでした。軍の問題、人種の問題、既得権益の問題など複雑な国家情勢を加味して、高い政治理念をどう実現できるかこそ、高度な政治的スキルを有していなければ困難なのだと思いますが、それを実行できるのは、成熟した政治家集団でなければ、不可能なのだと思います。勿論、現在の日本の与党が、その期待に応えているとも言えないような気もしますが・・・
また、野党が共産党も含めて連合を組んで選挙戦を戦ったことも、信頼を失うことにつながった可能性が考えられます。信念やポリシーがあればこそ、各政党の存在意義を示せるのだと思いますが、野党がそういった大きな垣根を取り払って、選挙協力をした場合に、その政党としての核となるものが失われてしまっているような感覚を受けてしまい、逆効果になった可能性はあると思います。(自民党と公明党の連合はどうなんだろうという疑問もないわけではありませんが))
いずれにしろ、今回の選挙結果を受けて、当面は自民、公明両党による政権運営が継続されます。引き続きのコロナ対策及び、コロナによって大きなダメージを受けた日本経済の立て直し、対中、米国などの外交政策など、問題は山積しておりますが、どう対処していくのか、注視していく必要があると思います。

2021年11月8日(月)

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