中国のこと(6) |
投稿:長野央希 |
現在行われているウイグルでの惨状に関しては、中国政府は全面的に否定し、人権侵害として非難する欧米諸国に対しては内政干渉であると非難しております。ウイグルは敬虔なイスラームの信徒でありますが、本来であれば、これほどイスラーム教徒が弾圧を受けていれば、その他のイスラーム信者がジハードとして立ち上がるべきであるにもかかわらず、そうはなっていません。やはり中国の国力や武力を考えて、なかなかイスラームの側も手をこまねいているほかないというのが実情なのかもしれません。 では、中国の軍事力とはどうなのかを冷静に分析する必要があります。 確かに人民解放軍の兵士の数は膨大であり、最新鋭の兵器の購入、開発にも力を入れています。海軍においては新しく空母を建造していたりと、米国への対抗意識を鮮明に打ち出しているように見受けられます。ですが、現代の情勢で、はたして巨大な軍艦や空母を建設することがどれほど意義のあることなのかを考える必要があります。太平洋戦争の段階で、既に巨大軍艦の存在意義自体に疑問が投げかけられておりました。実際に有力な航空戦力や潜水艦によって当時世界最高の軍艦であった大和も武蔵も、その他の多くの艦船が撃沈されました。大和、武蔵に至っては、ほとんど戦果らしいものを挙げることがありませんでした。(個人的には戦艦金剛が最も好きです) 現在に至っても、有力な航空戦力、潜水戦力の前では、それを防備するような対策がなければ、巨大艦船は単なる大きな標的でしかなくなってしまいます。全裸の人間が、スズメバチの群れの前では無力なようなものです。 ドローンは、そもそも軍艦に比べれば、著しく経費のかからない武力と言えますが、場合によっては、こういったドローンの進歩によって、軍艦が沈められる可能性もあり得るのではないかと思えます。 更に、人民解放軍の海軍は、実戦経験があるのかどうかという疑問があります。下手をすれば、中国の海軍の実戦は、日清戦争までさかのぼるのではないかと思えるほどです。実戦経験の裏付けのない兵力は、いざというときには、まともに機能しない可能性もはらんでいるのではないかと思えます。 要は、軍備を拡張している中国のそれは、張子の虎である可能性もあり得るのではないでしょうか? 勿論、戦争を推奨する気は毛頭ありませんが、少なくとも、中国が軍事をちらつかせて、周囲を威圧する場合に、冷静かつ毅然とした態度を取り続けるべきなのだと思います。自国だけでは国防に不安があるというのであれば、東南アジアやオセアニア諸国、インドや米国と連携をして、中国の包囲網を敷けばいいのです。太平洋戦争当時、日本は周囲を包囲され、ドイツ、イタリアという遠方でとても助け合えないような国と同盟を組むという愚策を行い敗戦に至りました。どんなに調子のよい大国と言えども、自国のみで世界と渡り合うことは不可能なのです。 それと同時に、中国という国は、プライド高い国でありますので、彼らにとっては自分のメンツをつぶされることが最も不快かつ恐れていることと言えましょう。ですので、彼らが行っていることが正しくないのであれば、彼らの自己愛的なメンツをつぶすことが、外交的に意義深いと思えます。彼らにとってはメンツこそが、信頼を得る要因と考えていますので、メンツがつぶれれば、周囲からの信頼も失います。結果的に一帯一路政策にも支障が出てくるでしょう。 今、我々が平和的に行えることは、中国に対しては、自分が世界の中心ではないこと、所詮は自国は世界の中の一つの国でしかないことを理解させて、肥大する一方の自己愛に歯止めをかけることなのだと思います。 |
2021年10月8日(金) |
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