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 アフガニスタン
投稿:長野央希
米軍のアフガニスタン撤退に始まり、タリバンのアフガニスタン全土掌握で、にわかにアフガニスタン情勢が不穏なものとなっております。JAICAの職員の方も、死刑宣告のような脅迫文を受けて、大変身の危険を感じておられるような記事も見られました。
人道危機という意味でも、極めて憂慮すべき事態ではあると思います。
ただ、基本的にはイスラーム教徒の思想からすれば、イスラーム信者以外は、本来存在してはいけないので、非イスラーム教徒からの支援や指導というものは受け入れられないという発想になるのだと思います。

ムハンマドがイスラーム教の布教を始めて、およそ1400年経っていますが、当初は周囲の人たちをことごとくイスラームに改宗させつつ、その支配地域を拡大させていきましたが、徐々にユダヤ教やキリスト教信者を、いちいちイスラームに改宗させるような事業を行えば、尋常ではない労力と時間を費やされることを痛感させられていきます。元々、アラブ人は商業民ですから、そこは柔軟に対応し、人頭税を払いさえすれば、異教徒もその身の安全を保障するという政策をとるようになっていきました。この政策は、イスラームがキリスト教国やユダヤ教徒に対して優位な時代は、うまくいっていましたが、欧米諸国が産業革命を経て、帝国主義のもと、世界中で植民地活動を活発化させるに伴い、上記の構図は崩れていきました。白人諸国は、往々にして、自分たちの宗教観や価値観を、植民地や保護国に押し付けていきました。結果的にオスマントルコやイラン、サウジなどのイスラームの国々の人たちのプライドをずたずたにしていったのです。そういった歴史的な経緯からも、イスラーム教国の人々が、欧米諸国に対して、強い不信感を抱くのも無理からぬものではあるのです。
以上の様に、我々、非イスラームの先進諸国が欧米的な思想を押し付ければ押し付けるほど、タリバンは拒否的になる恐れがあります。
どうしたら、タリバンとうまく交渉し、いわゆる現代の一般的な価値観とイスラーム原理主義的な思想の歩み寄りを図るかを考える必要があると思います。その際に、参考にすべきなのは、ロシアや中国の対タリバン外交です。
中国では、新疆ウイグル自治区はイスラーム教徒が多く住む地域で、ここにタリバンなどのテロリストが介入してくれば、ウイグルの独立紛争に始まり、場合によっては、中国全土の暴動に発展しかねないというような危機感があると思われます。また、アフガニスタンは中国の一帯一路政策にとっては要衝の地であるため、いちはやくタリバンを認めることで、ウイグルの運動家の支援をしないような約束を取り付けていまず。ロシアでも、チェチェンの活動家の問題もあり、タリバンとの交渉を行っています。
こうしてみると、タリバン政権は、必ずしも宗教的な熱情のみで動かされるわけではないことに気付かされます。中国、ロシアの様に、タリバンにとって魅力的な条件を示すことで、交渉を行うことが出来ると言えます。従って、今、世界が心配しているようなタリバンによる非イスラームやイスラーム教徒でも女性や子供への人道危機を防ぐために、タリバン政権にとって、何か魅力的な条件を駆け引きの材料として、交渉を進めていく必要があるのだと思います。こちらの与える何らかの支援(多くは経済支援)の見返りに、人権侵害を行わないようにする等。
恐らく、従来の様に、欧米的な思想の押し付けでは、早晩、その交渉は破綻してしまうでしょう。

私は、昔からアフガニスタンやシリアで働いてみたいというのが夢でした。アフガニスタンで長く活動し、最期はテロの凶弾に倒れ、志半ばに亡くなられた中村先生の著書を読んだりして、その思いを強めたこともありました。実際のところ、今の私が、自分の責務や義務を放擲できるのであれば、アフガンに行きたいというのが正直な気持ちです。恐らくは生きては帰れないだろうと思われますが、アフガニスタンやシリアの様に混沌とした地域で、ある意味一からの国造りに参加できるかもしれないというのは、とても興味があります。明治維新に参加した日本人に通じるような部分があるように思えます。命を懸けるに値するような事業だと思えるのです。

2021年9月6日(月)

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