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 銃規制
投稿:長野央希
米国のバイデン大統領が銃規制策を打ち出したという趣旨の報道がありました。これまでの米国で銃の規制はタブーなのではないかと思うくらいに、銃が蔓延している状況でしたから、ある意味画期的な方針転換と言えるのかもしれません。
調べてみると、毎年11000人は銃暴力の犠牲となっており、統計によると、毎年315人に1人が銃撃の犠牲で命を落としている計算になるとのことで、米国の死因の上位に銃による死亡が位置しているのです。(米国の死因の一位は心疾患で6人に1人)CDCでも全米人口動態統計で同様の指摘を指摘をしています。また、米国医師会雑誌で「死亡率で考えると、銃による暴力は死因の中で最も研究されていない」と論ぜられています。
また、米国の人口は全世界の人口の5%にも満たないのに対して、全世界の民間人が所有する銃の50%近くが米国人によって所有されているとの報告もあります。最近はテロによる大量殺戮が大きくニュースになりますが、それ以上にさして話題にならないような銃犯罪がいかに多いかを考える必要があるのだと思います。
これほど深刻な問題にもかかわらず、長年、その領域にはメスが入れられなかったわけですから、社会を巻き込むような極めて重い問題を内包しているのは間違いないでしょう。
これは銃を製造、販売する人たちやライフル協会などの利権も絡んでくるということも大きい問題なのでしょうが、それ以上に米国の独立から現在に至るまでの精神性に関連する面も大きいのではないかと思われます。というのも、米国は英国政府の暴政に憤って、独立戦争を始めて独立を勝ち取っていますから、自分の身を守るためには自衛する権利があるという意識が強いと思われるからです。また、開拓時代を通じて、その意識は高まっていったのではないかと思えます。自衛をする権利はすなわち銃武装する権利につながります。銃を規制するということは、その権利を奪われるという危機感を少なくない米国人が感じてしまう恐れがあります。
多くの米国人が自衛する権利を奪われることに対して、政府に反感を抱いた場合、米国内の分断に拍車がかかる恐れもありえます。
また、バイデン大統領の命にもかかわってくるかもしれません。(何しろ、米国ではケネディやリンカーンをはじめとして、大統領ですら銃による暗殺が起きる社会ですので)そういう意味で、今回の銃規制策を打ち出した政府の勇気には拍手したいと思います。ただし、尋常ではないいばらの道を歩むことにはなるのでしょうが。
銃をはじめとする武器に関しては、世界的にも大きな問題が渦巻いています。アフリカや中東で内戦や紛争が絶えない要因は様々あります。民族的な問題や宗教的な問題、植民地時代の欧米列強の無責任な政策の問題が挙げられますが、それと同じような比重、あるいはそれ以上の比重をもって武器を作り、売る組織の利権がかかわっているということです。武器を売ることで莫大な利益を得ている組織からすれば、紛争地域が平和になってしまうと、武器が売れなくなり、多大な損失を受けることになるという、大きな闇が潜んでいると言えます。
人間が登場して以降、常に戦争や紛争が絶えません。そういう点では人間の本質が戦闘行為にあるのではないかと思えてしまうのですが、銃規制や武器の規制においては、そういった人間の負の部分の本質をあぶりだす必要があるのかもしれません。

2021年4月9日(金)

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