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 ダニ媒介感染症
投稿:長野央希
今週末は、大雨に注意する必要があるとの予報ですが、そろそろ、梅雨も明けるのではないかという時期になってきました。
いわゆるお出かけシーズンで、外出の機会が増してくると思われます。今年に関しては、新型コロナの影響もあり、都会に行くよりは、自然に触れようといいう動きが活発になることが予想されます。ゴールデンウィーク中は、都心ナンバーの車が魚沼で多数見られたこともあり、夏場もその傾向が続くのではないでしょうか。
山や川や海に行って、キャンプなどのレジャーが楽しみになるかと思いますが、楽しいことには、怖いこともついて回ることに注意が必要です。勿論、水難事故や、山での遭難、滑落ということも恐ろしいことではありますが、同時にダニ媒介感染症というのも、知っておいていただくと、対応が後手に回らずに済むのではないかと思います。
新潟では、ツツガムシ病が最も有名と言えます。
ダニの一種のツツガムシが媒介するOrientia tsutsugamushiが起因菌のリケッチャ症です。ツツガムシの生息する草むらなどで、有毒ダニの幼虫に吸着されることで感染します。古典型は、新潟、山形、秋田などで夏季に河川敷で感染する風土病でしたが、新型は北海道・沖縄ぞ除く全国各地で感染が報告されています。ダニの吸着後、5〜14日の潜伏期間を経て、39℃を超えるような発熱、皮膚にダニの刺し口を認め、タイ幹部を中心に発疹が認められるようになるのが、最も特徴的な症状です。全身倦怠感、発熱、リンパ節腫脹を自覚することが多く、治療が遅れて、DIC(新型コロナでも話題になっていますが)を合併すると、致死率が高まります。幸いに、テトラサイクリンやクロラムフェニコールなどの抗菌治療が有効なので、早めに診断がつけば、かつてのような不治の病というわけではありませんが、この病気の知識がなくて、医療機関受診が遅れると、重篤な機転をたどる恐ろしさがありますので、今もなお、注意が必要と言えます。まずやれることは、有毒ダニの汚染地域は極力避けること、避けられないのであれば、出来るだけ露出の少ない服装を心がけつつ、早めにシャワーを浴びて、ダニを洗い流すことが大切と言えます。
その他にも、現時点では西日本が中心のSTFSや日本紅斑熱もダニ媒介感染症です。STFSは現段階では石川県以西ではありますが、温暖化で、今後新潟にも波及してくる可能性は否定できませんし、STFSウイルスは、抗ウイルス薬もなく、対症療法を主体とせざるを得ない中で、致死率が6.3〜30%という疾患です。
アウトドアレジャーは楽しいものですが、自然の中では人間は小さな存在であることを肝に銘じて行動することを忘れないようにしてください。

2020年7月22日(水)

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